順番が ズレて生まれた この不況2009年01月28日 22時13分17秒

この不景気の中にあって早急なる経済対策が求められているにも関わらず、国会では効果さえも疑われる定額給付金が審議されている。
その一方で一部の地方自治体では限られた予算の中で独自の経済対策を打ち出し、実行に移している所があるという報道を耳にした。
地方よりも敏感に情勢を感じ取って制作を打ち出すべき国が遅れている姿には「順番が違うだろう」と呆れてしまって溜め息しか出てこない。

考えてみると「順番が違う」と言いたくなる事が実に多くて、そういった過ちが積み重なって今の不景気を生んでいるような気がしてきた。
例えば、派遣社員の解雇だけでは飽きたらず、正規社員にまで希望退職者を募るなどの大規模な人員削減の手を伸ばしている大手企業があるが、その多くが株主への配当金をしっかりと確保しているという話が聞こえてきた。
これが本当だとすれば、本来なら「事業で得た利益の一部を出資比率に応じて配当という形で株主に分配する」という本質を違える事になると考えるのは俺だけだろうか。

社員が路頭に迷うこともいとわずに派遣切りを断行しておいて、株主への配当は守るという姿勢はどうにも気に食わない。
株主の方が社員よりも大切だと言っている行為が腹立たしく思うだけでなく、現代の株主は少しでも景気が悪いと手の平を返してしまう存在だ。
そういう軽い存在が企業を支える土台として頑張っている社員より大切という発想は労働者を馬鹿にしている気がしてならない。

確かに株式は大規模事業の資金調達の手段であるから大切にするのは間違っていない。
だけど、資金だけがあれば事業が動くわけではなくて労働者という下支えがあって初めて安定する。
この労働者について派遣社員という新しい雇用体制ができて簡単に切り捨てられる人材を手にしてしまった事で社員に対する責任感が薄れてしまったのかも知れない。

派遣法を改正する時に契約社員と正規社員の待遇を同等にするとか契約途中での解雇は禁止するといった法整備をすべきだった。
不景気になって始めて問題点が露見したような顔をしているけれど、何時かはこうなると思っていた人は少なくないはずだ。

珍しく難しい事を考えていて頭の中がめちゃくちゃになっているけれど、不景気を機会に会社や労働の在り方を考えてみてはどうだろう。

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