[小説:P★RS 半裸さん日記] part17 ― 2013年02月24日 20時52分39秒
第一話がこちらになります。
http://crimson-harberd.asablo.jp/blog/2012/09/17/6576628
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ディーナちゃんが照れすぎによるオーバーヒートから復帰すると、部屋に半裸さんとワリトちゃんの姿はありませんでした。
窓から差し込む日光は赤みを増していて、夕方が近いのだろうとぼんやり考えながら身を起こします。
部屋の中を改めて見回してみても半裸さんの姿は見当たらず、このまま夢オチに終わってしまいそうな不安を感じました。
身体に掛けられていた毛布を引き寄せて顔を埋めると、ほんのりと半裸さんの香りが残っています。
その香りを嗅いでいると、野良生活から比べたら夢のような1日が、現実に訪れたのだと実感できて落ち着きました。
ディーナちゃんが視線へ気付いて、バッと音を立てながら毛布から顔を離すと、ガードマザー君が部屋へ入ってきました。
『半裸さんはワリトちゃんと残りの磨きをこなしに行っているから不在』
ガードマザー君が頭上にテロップを出しながら、甘い香りのする紅茶を運んできてくれました。
「そ、そうか。」
ディーナちゃんが安堵の溜め息を漏らして苦笑しながら紅茶を受け取ります。
「言うなよ。」
視線を逸らしながら、適度に冷まされた紅茶を飲みながら呟くと肩を突かれます。
マザー君はディーナちゃんの視線を確認してから、テロップを表示して答えます。
『調子に乗せると面倒くさい。』
ディーナちゃんは全てを語る一言に失笑しながら、残りの紅茶も飲み干すとカップをマザー君へ渡しました。
「この毛布を選んだのアイツなのか?」
『不在中に目覚めた時に、不安がらないようにするためと言っていた。』
「そっか、何もかもお見通しって感じで気味が悪いな。」
口では悪態をつきながらも、表情はとても嬉しそうな笑顔を零していました。
ディーナちゃんがベッドから下りて、椅子へ座り直してくつろいでいると、半裸さんとワリトちゃんが元気に帰宅してきました。
「たっだいま~♪」
半裸さんはディーナちゃんが起きている事を確認すると、手を振りながら部屋へ入ってきます。
「もう大丈夫そうかな?」
半裸さんに満面の笑みを向けられて、ディーナちゃんは視線を逸らしながら首を縦に振りました。
「それは良かった。あそこまで照れに耐性がないと思わなくてさ。悪い事をしたね。」
そう語り掛けながら近付いてきて、優しく頭を撫でてきました。
「ところで、毛布はどうだった?」
「ふかふかで気持ちよかった。」
不意打ちの質問を予期していたので、動搖する事もなく、香りを話題に上らせない返答しました。
「それだけ?」
「他に、何があるのさ。」
半裸さんが追加してきた質問が探りを入れている気がしてので、頭を撫でていた手も振り払いながら聞き返します。
「君ならボクの毛布を掛けた事を怒ったりするかと思ったのだけど?」
半裸さんが小首を傾げながら、真っ直ぐに見詰め返してきます。
「別に嫌じゃない。」
疑って掛かった事へ罪悪感を覚えて、再び視線を逸らしながら呟いていました。
半裸さんとの会話が途切れた瞬間、逸らした視線の先に立っていたワリトちゃんが飛び付いてきました。
そのままディーナちゃんへ抱きつくと、猫がマーキングするように頬を擦り寄せてきます。
「え、な、なに?」
ディーナちゃんが困惑していると、ワリトちゃんが顔を正面から見据えてきます。
「ワリトちゃんは自分の匂いをどう思われているのか知りたいみたいだよ。」
半裸さんが補足説明を入れると、ワリトちゃんは大きく首を縦へ振ります。
「嫌いじゃない。」
ディーナちゃんの返答を聞いた瞬間、ワリトちゃんが再び頬擦りを再開しました。
「喜んで、いるのかな?」
「そうみたいだね。」
ディーナちゃんは困惑して、半裸さんは嬉ししそうに、それぞれ異なる意味の笑みを浮かべます。
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ディーナちゃんが照れすぎによるオーバーヒートから復帰すると、部屋に半裸さんとワリトちゃんの姿はありませんでした。
窓から差し込む日光は赤みを増していて、夕方が近いのだろうとぼんやり考えながら身を起こします。
部屋の中を改めて見回してみても半裸さんの姿は見当たらず、このまま夢オチに終わってしまいそうな不安を感じました。
身体に掛けられていた毛布を引き寄せて顔を埋めると、ほんのりと半裸さんの香りが残っています。
その香りを嗅いでいると、野良生活から比べたら夢のような1日が、現実に訪れたのだと実感できて落ち着きました。
ディーナちゃんが視線へ気付いて、バッと音を立てながら毛布から顔を離すと、ガードマザー君が部屋へ入ってきました。
『半裸さんはワリトちゃんと残りの磨きをこなしに行っているから不在』
ガードマザー君が頭上にテロップを出しながら、甘い香りのする紅茶を運んできてくれました。
「そ、そうか。」
ディーナちゃんが安堵の溜め息を漏らして苦笑しながら紅茶を受け取ります。
「言うなよ。」
視線を逸らしながら、適度に冷まされた紅茶を飲みながら呟くと肩を突かれます。
マザー君はディーナちゃんの視線を確認してから、テロップを表示して答えます。
『調子に乗せると面倒くさい。』
ディーナちゃんは全てを語る一言に失笑しながら、残りの紅茶も飲み干すとカップをマザー君へ渡しました。
「この毛布を選んだのアイツなのか?」
『不在中に目覚めた時に、不安がらないようにするためと言っていた。』
「そっか、何もかもお見通しって感じで気味が悪いな。」
口では悪態をつきながらも、表情はとても嬉しそうな笑顔を零していました。
ディーナちゃんがベッドから下りて、椅子へ座り直してくつろいでいると、半裸さんとワリトちゃんが元気に帰宅してきました。
「たっだいま~♪」
半裸さんはディーナちゃんが起きている事を確認すると、手を振りながら部屋へ入ってきます。
「もう大丈夫そうかな?」
半裸さんに満面の笑みを向けられて、ディーナちゃんは視線を逸らしながら首を縦に振りました。
「それは良かった。あそこまで照れに耐性がないと思わなくてさ。悪い事をしたね。」
そう語り掛けながら近付いてきて、優しく頭を撫でてきました。
「ところで、毛布はどうだった?」
「ふかふかで気持ちよかった。」
不意打ちの質問を予期していたので、動搖する事もなく、香りを話題に上らせない返答しました。
「それだけ?」
「他に、何があるのさ。」
半裸さんが追加してきた質問が探りを入れている気がしてので、頭を撫でていた手も振り払いながら聞き返します。
「君ならボクの毛布を掛けた事を怒ったりするかと思ったのだけど?」
半裸さんが小首を傾げながら、真っ直ぐに見詰め返してきます。
「別に嫌じゃない。」
疑って掛かった事へ罪悪感を覚えて、再び視線を逸らしながら呟いていました。
半裸さんとの会話が途切れた瞬間、逸らした視線の先に立っていたワリトちゃんが飛び付いてきました。
そのままディーナちゃんへ抱きつくと、猫がマーキングするように頬を擦り寄せてきます。
「え、な、なに?」
ディーナちゃんが困惑していると、ワリトちゃんが顔を正面から見据えてきます。
「ワリトちゃんは自分の匂いをどう思われているのか知りたいみたいだよ。」
半裸さんが補足説明を入れると、ワリトちゃんは大きく首を縦へ振ります。
「嫌いじゃない。」
ディーナちゃんの返答を聞いた瞬間、ワリトちゃんが再び頬擦りを再開しました。
「喜んで、いるのかな?」
「そうみたいだね。」
ディーナちゃんは困惑して、半裸さんは嬉ししそうに、それぞれ異なる意味の笑みを浮かべます。
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