祭りとは 縁が薄くて 寂しいな2011年08月05日 23時51分03秒

仕事場でたまに流れているラジオでリスナーからの体験談を募集していて、その中に夏祭りの屋台で声を掛けられずに右往左往としている子供を見て、投稿者にも似たような経験があって微笑ましかったという話があった。

俺は夜盲症の影響で夜道を苦手としていた事に加えて、人混みを好まない性格だった影響もあって、夜店へ連れて行ってもらっても何を欲しがったりする暇もなく、慣れない空間にひたすら神経を尖らせていた記憶しかない。
そんな様子から夜店へ行くような場面があっても、俺は留守番させられるか入り口付近に座らされて、運ばれてきた食べ物を黙々と食べているような思いでしかない。
夏祭りというキーワードから祭りの活気に取り残された疎外感を思い出して、我ながら寂しい思い出しかない事に呆れて苦笑するしかなかった。

そんな苦い思い出へ浸りながらラジオの続きを聞いていると、夜店で勝てばオマケが貰えるジャンケンでわざと負けてくれた話になっていた。
夜店を見て回った事さえないのだから、当然のようにオマケをしてもらった思い出など有りはしないのだけど、店員の立場で子供の可愛さに負けてしまった経験なら心当たりがあって、少しだけ共感することができた。

高校時代の文化祭でクラスの出し物がお化け屋敷となってしまい、俺は暗い場所で目が利かない事から受付を担当していた。
この時はどういう経緯か忘れたけれど、お化け屋敷へ入ってくれた子供達へのサービスとして、出店にある水ヨーヨーを釣り上げる遊びを提供していたのだけど、途中で残りが心許なくなってきてしまった。
必須のサービスでないと言っても初日で終わってしまうのも面白くないので、ジャンケンで買った子供にだけ挑戦権を与えるというルールに変更していた。

そんな状況で6人組のグループがお化け屋敷から出てきて、ルール説明をしてから1人ずつジャンケンをしていったのだけど、1回のあいこも含まないストレート勝ちをしてしまった。
あまりに酷いのでもう1回だけチャンスを与えたのだけど、子供達は気合いが入りすぎているらしく、掛け声の前の時点で既に出す手が仕草へ現れていた負けるはずもなく、再び全勝して合計12連勝を納めてしまった。
途中で負けてやらないと可愛そうだと思ったのだが、何が来るか分かっているだけに条件反射で勝ってしまい、最後の1人に至っては苦笑しか出ない状態となっていた。

12回目の勝利が確定したところで「はい、オマケは全員なし」と宣言すると、6つの口から同時に「ええ~」と非難の声が出るも、その表情は何処か楽しげで恨んでいる様子が全くなかった事は救いだった。
しかし、交わしそうだと感じていた事に加えて、次の客が出てきそうな時間が経過していたので、1回ずつだけ挑戦させてあげて終わりとなった。
結局のところ上手く釣れなくて何も手にせず帰って行ったのだけど、随分と楽しんでくれたらしくて満面の笑みを残してのお別れだった。

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