一夜漬け 山も外して 見るもなし2011年07月11日 20時55分52秒

今日は帰りに寄り道したい所があって早めに会社を出た影響で、普段は見ることのない女子高生グループと乗り合わせてしまい、独特の騒がしさに面白くもない高校時代の記憶が掘り起こされて、一人で憂鬱な気分に浸っていた。
ブログの記事が思い浮かんでいなくて呆然としていると、特に意識していなくても女子高生グループの会話が耳に入ってきて、盗み聞きをしているような嫌な気分を感じながらも、会話をしっかりと拾っている自分が恨めしかった。

会話の内容は間近に迫った期末試験の出題範囲についてと他愛もなく、テストに関する教師の発言から憶測を膨らませて、根拠の無さそうな「ここは絶対にテストで出る」という発言を繰り返していた。
以前にも話した事があるのだけど、俺はテスト勉強と呼ばれる行動を積極的に起こした経験がなくて、強いて言えば試験前の休み時間に数少ない友人と出題を予測する程度で、基本的に授業で培った知識だけで勝負していた。
基礎となる学力を備えていた事に加えて、人間観察と誘導尋問の能力を活かして、出題範囲に関する情報を教師から引き出していたので、余裕で平均点を上回っていた。

そんなこんなで出題範囲の情報を引き出す行為に長けていた俺から見ると、電車で女子高生が唱えていた「ここは絶対にテストで出る」は的外れで、あのまま山を掛けて試験に挑めば赤点を取りそうな雰囲気だった。
今まで赤点を取る連中は授業をまともに聞いていなくて、試験直前だけ頑張ろうとして空振りをしているのだと思っていたけど、根拠のない的外れな情報に頼ってしまい、情報源と共に崩れ落ちていくパターンもあるのだと知った。

こうしてみると離れてみてみると、試験で赤点を取る連中は方向音痴が迷子となってしまう様子に似ている気がした。
迷子になってしまう人の多くは路上に停まっている自転車や、店の前に繋がれた犬などの移動する可能性の高い物を目印にしたり、地図の読み方も知らずに違う方向へ歩き出したりする傾向がある。
印象に強いキーワードだけに目を向けて、殆ど変化のない店や家並みを覚えない辺りは、試験直前に教師が言った言葉ばかりに捕らわれて、的外れな山を張る行為と似ている。
人に頼り切った生活で地図の読み方も知らないまま生きてきた経緯は、普段の授業から少しずつ理解していこうとせず、一夜漬けに頼ろうとする安易な姿勢に通じている気がしてならない。

学生のあるべき姿を見失って、学習に関して迷子となった結果が赤点といったところなのかな。
しっかりと普段からの積み重ねをしていない生徒も駄目だろうが、そう言った迷子を見落としていたりする教師も腐っている気する。
教師は勉強を教える以前に、学習する姿勢を説いてやるべきだと思う。

学習の姿勢は人生への向き合い方にも通じてくるので、教師はもちろんとして両親がしっかりと責任を果たす必要がある。
もしも自分の子供が赤点なんぞ取ってきた日は、叱責する前に親としての責務を果たしていたのか振り返ってほしい。
良くも悪くも子供は親の背中を見ながら育つので、子が赤点を取ったのではなく、親が恥じる点数を取らせたのだと受け取るべきだ。