[小説:P★RS 半裸さん日記] part132012年12月24日 18時39分19秒

第一話がこちらになります。
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半裸さんはネコミミ少女さんが冷静さを取り戻すより前に、体を縦に捻ってオーバーヘッドキックを繰り出します。
その蹴りはネコミミ少女さんのお尻を捉えて、着地点を大きく逸らしました。
元より迎撃するつもりで繰り出された蹴りでなかった事もあり、冷静さを取り戻したネコミミ少女さんは綺麗に着地を決めます。
着地点はディーナちゃんの居る場所から3mほど離れた部屋の隅でした。

「レディのヒップを蹴るなんて酷いにゃ。でも、優しいタッチも悪くなにゃい。」
ネコミミ少女さんは舌なめずりと共に呟いて、にやけた笑顔を浮かべながら振り返ると、目の前に半裸さんの顔がありました。
半裸さんが気配さえ感じさせずに詰め寄っていた事もあり、ネコミミ少女さんは小さな悲鳴を上げながら後退ります。
しかし、着地点が部屋の隅だった事もあり、冷たい壁に背中を押し付けるだけに終わります。
「ディーナちゃんはまだお迎えしたなので、過激なスキンシップは遠慮して下さいな。」
半裸さんの普段と変わらない笑顔が逆に恐怖心を煽ったらしく、ネコミミ少女さんがにやけ顔を引きつらせながら頷きました。
「分かってもらえて嬉しいよ。やっほい!」
半裸さんが軽くジャンプしながら両手を天井へ振り上げて叫ぶと、ネコミミ少女さんもつられて同じアクションを取りました。
着地すると同時に固い握手を交わします。
「半裸さんはばとる!とか弱い方なのに、唐突に強くにゃる時があるから恐ろしいにゃ。」
ネコミミ少女さんが苦笑しながら呟きます。
「ボクは弱いからね。家族と友達を守るので精一杯で、ばとる!に力を入れる余裕がないのだよ。」
半裸さんはそういって少しだけ悲しそうに笑うのでした。

半裸さんは本来の目的である磨きを行ってから、ディーナちゃんの所へ戻ってきました。
「お待たせ、ディーナちゃん。磨きも終わったから帰ろうか。」
半裸さんがディーナちゃんの手を取って歩き出そうとした時、ネコミミ少女さんが「またにゃ」と見送ってくれます。
ディーナちゃんが声のした瞬間にビクッと手を強く握ってきたので、半裸さんは声を漏らして笑いながら裏口を通過しました。

ディーナちゃんは部屋へ戻ってくると同時に恥ずかしくなった様子で、乱暴に半裸さんの手を振り払うとそっぽを向いてしまいます。
その態度がまた可愛らしくて、半裸さんが微笑ましく眺めていると、裏口から先程のネコミミ少女さんが飛び込んできました。
「お返しにきたにゃ!」
ネコミミ少女さんが高らかに宣言した声を聞いた瞬間、ディーナちゃんが半裸さんの後ろへ隠れます。
「にゃはは、怖がられてるにゃ・・・」
「当然の結果だと思いますよ。」
先程に押し倒されていたピンクメイドのドールちゃんも入ってきて、呆れた様子でネコミミ少女さんを窘めました。
「反省にゃ~」
ネコミミ少女さんは肩を落ちしながら、ゆっくりと半裸さんの所へ近付いてきて、残り3歩の距離で立ち止まります。
「先程は失礼しました。ちゃんと反省しているようなので、ご勘弁下さい。」
ピンクメイドのドールちゃんが一歩前へ出て深々と頭を下げると、半裸さんがディーナちゃんを前へ出るよう促します。

ディーナちゃんが警戒しながらも一歩前へ出ると、ネコミミ少女さんがすがるような目で見上げてきます。
その表情を見下ろしながら、ポリポリと頬を書きながら困ったような表情を浮かべます。
「ほんとにゴメンにゃ~。今度から気を付けるから仲良くしてほしいにゃ。」
「そう言いながら、にじり寄ると逆効果です。ほら、動かない!」
ディーナちゃんはドールにペシペシと叩かれてながら謝っているネコミミ少女さんの姿に思わず笑ってしまいまう。
それも声を上げて、腹を抱えて、笑いました。
「ああ、もう良いよ。怖がっていたのが馬鹿らしくなった。」
ディーナちゃんが目の端から溢れた涙を払いながら声を掛けると、ネコミミ少女さんの表情が一気に明るくなります。
「ありがとにゃ~。許してもらえなかったら、ドールちゃんが出て行くって脅されていたのにゃ~」
「余計な事は言わなくて宜しい。」
最後のもう一度だけ叩かれてから磨きを済ませて、ネコミミ少女さん達は帰って行きました。
「なんつ~か、嵐が過ぎ去ったようだな。」
2人を見送った後、ディーナちゃんが静かに呟きました。

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