鬼の目が 届く場所では 大人しい2010年02月19日 20時45分55秒

昨日のような寒い日は外に出しておくのが可哀想だという事で、G社長の飼い犬であるユウ君を仕事中でも室内へ入れることがある。
室内へ入れられた時のユウ君は台所に寝かせておくのだけど、飼い主であるG社長が最も近くにいるので我慢が出来なくなるらしく、仕事の邪魔となるにも関わらず甘えようとする。
その旅にユウ君が最も怖がっている俺が注意をして所定の位置へ戻らせるのだけど、俺は台所から最も離れた位置に座っているためか睨みの効果が薄くて数分も待てたず邪魔をしに来てしまう。
そのうちに相手をするのが面倒くさくなって、外へ出されるというパターンが定着していて、何故に大人しく出来ないのかと呆れを感じなくなるほど見慣れた光景となっている。

そんな中にあって、昨日は少し趣向を変えて台所ではなく俺が座っている場所の脇に毛布を敷いて座らせることになった。
元よりストーブの近くは犬にとって暑すぎるのではないかとの疑問が感じられていた事も合わせての事だったのだが、予想以上の良策で勝手に立ち上がって歩き回ることもなく、ユウ君が部屋にいる事を忘れて作業へ没頭できる時間も出来るほどに大人しかった。
最初の方はG社長が立ち上がるだけでも反応して寄っていこうとする場面もあったのだけど、少し強めに注意して毛布へ戻るように指でジェスチャーを送ったら素直に従ってくれた。

最終的にG社長が立ち上がっても顔を持ち上げる程度で我慢するようになったりと、珍しく感心させられる場面もあったりと少し楽しい気分に成れた。
途中でおやつを持ち出して、座ったり立ったりする命令を覚えさせようとしたけれど、言葉の意味を理解するまでに至ってくれなかった。
それでも指のジェスチャーは理解しているらしいので、言語能力が低めなのか知れないという疑問が残ったけれど、今までで最も利口にしていた日だった。

これが常となってくれた文句がないのだけど、そういう日は遙か地平線の向こう側にあるような気がする。
ひとまず飼い主であるG社長が俺と同じくらいの迫力を身に付けてくれないと話が始まらないのだが、これがまた大変そうだったりするから悩ましい。