被災地を 暗く照らして ネタにする2017年03月10日 23時01分56秒

復興の進まない被災地ばかりでなく、活気を取り戻しつつある地域も紹介してくれないと暗い印象ばかり先行してしまい、観光客や元の住民が戻ってこないと懸念する声を3年程前から聞いている。
旅行の計画を立てる際に被災地の暗い印象ばかり持っていると、大変な時期に遊びへ行くと迷惑になるとか、そもそも遊びにいくような土地でないと認識される恐れがあると心配しているのだ。
この状況が何時までも続くと、順調だった復興を足踏みさせる原因になると懸念され、報道の方向転換が求められているのに今日のテレビやラジを見てみると被災地の暗い印象を植え付けていた。

ラジオの震災特集は特に酷くて、被災地を毎年に取材してと言いながら中継など行われず、被災地域の自治体へ行ったアンケート結果を紹介して、重苦しい声で「我々は被災地を応援している」的なメッセージを投げて締め括っていた。
実質的に被災地の様子など見えてこないし、アンケートの結果も理想を高く設定しすぎて現状に満足できない自治体を強調して、震災はまだ終わっていないと主張するだけだった。

震災の記憶を風化させてはならないと主張されているけれど、俺は震災から学んだ多くの教訓こそ残すべきであって、それ以外に関しては忘れても良いと考える。
実際に体験した人達の受けた衝撃はどう頑張っても伝えられるものでなく、残しようのない記憶に執着する姿に大きな疑問を感じる。
一昔前までは生死の分かれ目となった行動を紹介していたのに、そういった話題が聞こえなくなって悲壮感の溢れる話ばかり掘り起こしている。
生死の分かれ目など使い古されて新鮮みの足りない話題と軽視されている気がして、それこそ震災の記憶を風化させているのではなかろうか。

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