あまりにも 変化の多い 風が吹く2020年08月26日 21時42分50秒

帰り電車を降りると霧でも出ていそうな湿り気のある風が出迎えられて、気温以前の息苦しい空気を吸い込みながら憂鬱な気分での駐輪場へ向かった。
駅のホームよりも風通しの良い場所まで来ると、湿り気が割増しになったり草の香りが混じったりと、風の吹く度に変わった表情を見せ始めた。
こういった変化の起きる風が吹く時と言えば、夕立の起きている方角から流れてきている場合が多いので、嫌な予感がすると呟きながら自転車を出そうとしたら、頭の悪い利用者に進路を塞がれて2分ほど無駄にした。

この2分で大雨に濡れる羽目となるのでないかと心配しながら自転車を走らせていると、風が万華鏡のように顔色を変化させ続けるので天気の予想が全く付かなかった。
雨雲へ向かって進んでいるのか、それとも追い掛ける格好となっているのか、はたまた迫ってきているのか、どの形でも有り得そうな顔を見せるので訳の分からない状況だった。
ここまで顔色の異なる風が吹き乱れるのも珍しいのだけど、風向きが殆ど変わらずに来ているのだから尚更に不思議な話だった。

結論から言えば、局所的な大雨をもたらす雨雲へ向かって走っていて、自宅周辺は俺の到着する数分前まで土砂降りとなっていたようだ。
ある交差点を境に手前の路面が乾いているのに、奥へ行くと水溜まりができているという具合になっていて、雨の降り出した地点へ向かって自転車を走らせていた格好となる。
雨の降った場所と降っていない場所の両方を吹き抜けてきた風だから、万華鏡のように表情を変えていたのだろう。