見えぬなら 閉ざしていなきゃ 危ないの2020年06月23日 22時30分46秒

何時だったか忘れたけれど、白内障の体験談を芸能人が語っていたのだけど、視界不良により人や自転車などにぶつかる危険な体験を繰り返した末に、家族へ縋り付かなければ歩けないほどの恐怖心を抱くまでに至ったと言っていた。
たかだか片目の視界が潰れた程度で何を馬鹿げたことを言っているのかと呆れて聞いていたのだが、自分の白内障が進行していく中で件の芸能人がどういう状況だったのか見えてきた。

見てきた末に抱いた感想は馬鹿じゃないのかと、改めて呆れるばかりで何の同情も感じない。
そもそも周囲に白内障を患っていると知られないまま過ごしていたそうで、体験談の冒頭で共演者の誰もが病気のことを初耳だと言っていた。
白内障を患っている期間に休業していたわけでも姿を現さなかったわけでもなく、病状を知られなかったのであれば眼帯を着けるでもなければ、片目を瞑っていたわけでもないという事になる。
片目を塞いでいたら注目されて病状について知られる事に繋がるはずで、そうでないなら知られまいと隠し通したのであろう。

そんな格好を付けているから衝突したり何だの場面へ遭遇するのであり、小さな見栄のために危険も然る事ながら周囲に多大なる迷惑を掛けていたわけで、人としてどうなんだと呆れるばかりだ。

俺は病状により左目の視野が眼鏡の曇った時に近い状態へ陥っているのだが、この状態で両目を開けていると見えていない左側の視野が機能している錯覚を覚える。
錯覚というか見えているはず、と本能が勝手に判断している感覚であり、見えないので注意せねばと意識しても警戒レベルが勝手に引き下げられるので、り催眠術で操られているような気分にさえなる。
片目を瞑っている状態では目や首を動かして左目の不足した視野の補完する動作ができるのに、両目を開けていると同じ見えない状態であっても上手く注意を払えなくなる。

両目を開けている状態だと、左に注目していると右の危険へ気付けなくなるという恐怖心が湧き立ってきて、左側ばかり見ていたら危険だからと視線を引き戻されるようだ。
片目を瞑っている時は両立させる必要性が認識されて、目も首も大きいに動かして片目で両目分の視野を確保しようと頑張ってくれる。

恐らくは白内障になっていても目に光が入ってくると、とりあえず見えているという認識が先行してしまうのだろう。
だから、見えていないのであれば光を遮ってやらないと注意力散漫となり、件の芸能人がやらかしたように多くの迷惑を掛ける格好となってしまうわけだ。
件の芸能人も眼帯を着けるなり何なりしていれば、家族に縋り付かねば歩けないといった馬鹿げた体験をせずに済んだはずで、俺からすれば何をやっているのかと呆れる以外にない。