誠実さ 必要なのに 分からず屋2020年03月15日 21時51分48秒

午前のニュース番組で新型コロナウィルス感染症に関する話題として、ペストの流行した時代を題材とした古い小説がベストセラーとなっていると紹介していた。
その中の記述に「感染していない者の心まで病んでいる」や「この忌まわしい病気に対抗する武器は誠実さだ」といった内容があると紹介していた。

前者はデマ情報を流す者と流される者が増えたり、不安から他者に対して攻撃的になったりという状態を指していて、現在に起きえているトイレットペーパーの買い占めなどに通じる。
日本では少ないけれど人種によって差別的な扱いを受ける場合もあるそうで、歴史は繰り返されるというか文明の進化と人の成長は一致しないというか、過去から学ばないと行けない事がたくさんあるのだと痛感する。

後者である誠実さは不安から生じる恐怖を受け止めて、感染予防へ努めるために必要な心構えとして、誠実さを忘れない事が大切だと説いているのだと理解する。
誠実さを失わなければ、他人に対して攻撃的になる事もなければ、誤った情報に踊らされたりする事もなく、必要な予防対策を面倒臭がらずに実施していれば沈静化できる。

俺は各個人の有り様として誠実さの大切さを説いているのだと思ったのだけど、この小説を紹介したコメンテーターは政府に誠実さが足りないだの、説明責任を果たしていないから不安を増長させるのだと非難する題材とした。
このコメンテーターの発言は他者へ対する攻撃性の表れであり、他者へ敵意を向ける事で不安を誤魔化す心理状態、というか性根の腐り具合が滲み出ていると感じた。

そもそもに語る側が誠実であっても聞く側に誠実さがなければ、正しい情報も歪曲して解釈されるのだから、他者に誠実さを求めていたら何時まで経っても平行線を突き進む事になる。
逆に言えば、受け取る側が疑念から入らないで耳を傾けて、各所からの情報収集に努めて一所の話を鵜呑みにしない姿勢こそが誠実さなのに、そんな事も知らないで何を語っているのかと呆れていた。