焼け出され 小川に沿って 暇潰し2017年08月14日 21時04分17秒

今日の昼過ぎに焼きそばを作って食べようかと考え始めた矢先、室温の急上昇と共に灯油に着火し時の匂いが流れ込んできた。
何かと思って匂いの発生源であるリビングへ行ってみると、父親が部屋干しの洗濯物を乾かそうと灯油の残っているストーブへ火を入れていた。
今日が比較的に涼しい天候と言っても湿度の高さから不快指数が高くて、少しでも動けば暑いと感じるというのに暖房を炊いている姿は呆れる他になかった。

日射しのない空模様に加えて夜中に降雨もあって湿度が高いのに、2日分と大して溜まっていないのに洗濯しているだけでも馬鹿らしいが、その上にストーブで乾かそうとする愚行の連鎖に言葉も出ない。
しかも、ストーブの熱気は2階にある俺の部屋を最終到達地としていて、もう何を考えているのか全く理解できない状況なのに、ここで何かを言うと現状より何倍も面倒な事になるので泣くしかない。

ストーブでなく扇風機の風を当て続ければ十分に乾く事は随分と前から言っているのに聞かなくて、熱気だと生地を傷める事も指摘しているが意に介してくれない。
熱気が俺の部屋へ流れ込んでくると文句を言えば、換気扇を回すよう指示しても言う事を聞かないばかりか、部屋を閉め切るという自殺行為に等しい愚行に出る危険性があって言えない。
惚けているわけでないのだが、どういう訳か思考の方向性が明後日の方向へ向いている感じで、俺が疫病神と呼んで嫌う実姉の自己中心的な性格は間違えなく父親の遺伝だと感じる。
何にしても一番の安全策は俺が黙って堪える事なのだが、風が吹いていなくて換気が追い付かなくて暑苦しいため、リビングと共に暖められている台所で料理する気もないので、外へ逃げる選択肢しかなかった。

半ば焼け出される格好で出掛ける事になったので、何の目的もなく自転車を走らせながら頭の中で渦巻く怒りと苛立ちを忘れようとした。
左目の状態も良くなくて危なっかしい状況なのに、怒りや苛立ちで集中力まで欠いていたら交通事故へ繋がる危険性が高いと自覚しているからこそ、ひたすらに走っていたら忘れられると考えていた。
しかし、走り慣れた道では危機感が足りないようなので普段に通らない道へ入ってみると、人も車も少ない小川沿いの細道へ辿り着いたので良い感じで集中できた。
ついでに、川沿いの道を追い回すという大雑把な目的も見つかったので楽しめたけれど、40分ほどで見知った国道へぶつかって途切れてしまった。

そこから新たな見知らぬ道を求めて大回りしたり蛇行したりと繰り返したけれど、面白そうな道へ辿り着けなくて更なる冒険へ繋げる前に体力の方に問題が出てきた。
そもそも昼食を食べていなければ水分補給もろくにしてないわけで、通常の体力よりも格段に弱っている所からスタートしている事に気付いて、帰宅する方向へ針路を定めた。
途中で買い物をしたりと更に時間潰しもしたけれど、それでも2時間ほど外出した程度で終わったのだけど、随分と久しぶりに走り回ったので良い汗を掛けたように思う。

それでも帰宅すると苛立ちが再燃しそうになって、どうにも俺の人生で自宅がくつろぎの場となりえないようで悲しさを覚える。