概念の 揃わぬ内は 学べない2016年08月10日 23時59分26秒

IT技術者の早期育成を目指して、初等教育課程にプログラミングや英語を取り入れようとする動きがあるそうだ。
プログラマとして生きている身からすると、相当に素っ頓狂な議論をしていると呆れる他になくて、こんな話を真顔でしている連中が指導要領を作っているのであれば、学力低下は当然の話であると納得してしまう。

まず第一に、プログラミングが何なのか全く理解できていない。
プログラミングが今までに無かった土壌から芽吹いた分野だと思い込んでいて、それ故に何の基礎知識もなしに学習を始めても習得できると考えているのだろう。
プログラミングを始める上で必要な基礎的知識として、数学における事象の数式化という概念が必須となるし、法則に従えば数式を変換できる事実への理解が上げられる。

こういう小難しい書き方をすると「習っていない」と言い出す人もいそうだけど、移動距離は速度と時間を基準にした数式で表現できると知っている必要があると言っているだけだ。
別段に難しい話ではないように聞こえるけれど、この考え方は方程式そのものであって、算数でなく数学の領域へ踏み込まないと正しく理解できるのか怪しくなってくる。
プログラミングは数学を実用化した分野とも言えるわけで、算数を覚えたばかりの児童に大した説明もないまま方程式を出題しているような状況だ。

子供の学習能力の高さから考えば理解できないとは言わないけれど、順序を無視して覚える格好となるので何処かで躓きそうな気がしてならない。