[小説:P★RS 半裸さん日記] part92012年11月18日 18時18分35秒

第一話がこちらになります。
http://crimson-harberd.asablo.jp/blog/2012/09/17/6576628
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半裸さん達が自室へ戻ってくると、ワリトちゃんがテーブルへ背を向けた姿勢でフレンチトーストを食べていました。
そのワリトちゃんの正面にはパン皿を掲げたマザー君が立っていて、食べこぼしを受け止めようと待機しています。
「ワリトちゃん。お出迎えは嬉しいけど、ちゃんと前を向いて食べないと行儀悪いよ。」
半裸さんの言葉に対して、ワリトちゃんが首を左右に振って応えます。
マザー君も同じ事を言って拒否されたらしく、困った様子で半裸さんを見詰めてきました。
「もう、たまにわがままになっちゃうのは何故なのかしら。」
半裸さんはそう呟きながら握っていたディーナちゃんの手を離し、ワリトちゃんの方へと歩み寄っていきます。

ディーナちゃんは取り残される格好となって、呆然としながら壁へ寄り掛かりました。
「今のって不法侵入じゃないのか?」
他人の家へ勝手に踏み込む行為を言い表そうとした時、犯罪行為を指す単語しか思い浮かびません。
ディーナちゃんは無理矢理に家族の一員へ加えられた直後、犯罪行為としか思えない行為へ付き合わされて混乱していました。
「フレンド登録している人は基本的に出入り自由になるのさ。そういう関係を同意しているから違法性はないよ。」
半裸さんがディーナちゃんの疑問へ答えながら、ワリトちゃんの座っている椅子を持ち上げて、テーブルの反対側へ運んでいきます。
ワリトちゃんはどうやら椅子から降りたくなかっただけらしく、椅子と一緒に大人しく運ばれていきます。
ディーナちゃんは説明を受けても今一つ納得できていない表情を浮かべながら、ワリトちゃんの運搬される様子を見詰めていました。

ワリトちゃんが玄関を見ながら食事のできる位置へ移された直後、半裸さん達の背後で勝手口が現れてました。
同時に半裸さんのマネキンも出現したのですが、本人が着ていない赤い上着を羽織っていました。
ディーナちゃんが疑問を口にするよりも前に、橙色の浴衣を羽織ったぷちロクちゃんが勝手口から飛び込んできました。
浴衣のぷちロクちゃんはディーナちゃんと目が合うと、軽く手を振ってからマネキンの上着を磨いて帰って行きました。
ディーナちゃんが呆気にとられていると、船内ディスプレイに『ユーナさんが「B★RSのアウター赤」を磨いてくれました!』とメッセージが流れました。
「おや、ちょうど誰か来ていたみたいだね。ボク等と同じようにスッと来て、サッと磨いて、パッと帰って行ったでしょ?」
半裸さんはディーナちゃんの表情から、磨きの一部始終を目撃したと察した上で質問を投げ掛けます。
ディーナちゃんは唖然としたまま静かに頷いてから、磨きが犯罪でないと納得して、溜め息を吐きながら床へ座り込みました。

「そういえば、マネキンは上着を着ていたのは何故なんだ?」
「ボクがアウターを着ない主義だから、代わりにマネキンが着ているのさ。磨くアウターが無かった困るでしょ?」
「アウターを着ない主義を貫いている事の方が困りものだと思うけどな。まさか、その主義も一般的とか言わないよな?」
ディーナちゃんが眉をひそめて、心底に嫌そうな表情を浮かべながら聞いてきます。
「まさか。ボクの半裸は個性さ。ステータスと呼んでも良いよ。」
半裸さんが嬉しそうに拳を突き出しながら力説する姿に、ディーナちゃんは小さく溜め息を漏らしました。
「犯罪者じゃないだけで、変なヤツの家族になった事に変わり無しか。」

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