封鎖され 入店できず 待ち惚け2011年09月02日 22時51分33秒

金曜の帰り道は趣味の買い物でストレスを発散してから、Toda氏との夕食会をのんびりと楽しんでから、普段よりも遅めの時間に帰宅するパターンが恒例となっている。
後半にToda氏との夕食会が予定されている事もあって、会社を出る時間を早めるなどの工夫をしているのだが、どうしても趣味の買い物に掛かる時間が掛かってしまうので、常に時間を気にしながら行動している。
今日は会社を出る時間が遅れてしまうも、待ち時間ゼロで電車へ乗れたので少しだけ余裕が生まれて、珍しく運の良かった事を喜びながら池袋へ到着して、足早に目的地であるオタク御用達の本屋へと向かった。

信号待ちの間に滞在可能な時間を30分ほどあると確認して、意気揚々と足取りも軽く歩いていくと、目的地へ至る唯一の道を塞ぐように人集りができていて、芸能人でも出没して路上ライブのようになったのかと首を傾げていた。
芸能人に興味がない俺としては野次馬となる気も全くなくて、店へ近付こうと割り込んでみると大した苦労もなく進めて、何か勘違いしていると感じながら前へ出ていくと、「KEEP OUT」と書かれた黄色いテープが見えてきた。
背中に積めた汗を感じながら周囲を見渡してみると、警察官の姿がちらほらと見つけられて、最前列から封鎖区域を覗けば現場検証が行われていて、秋葉原で見た連続殺傷事件の直後の光景を思い起こした。

現場検証が行われる事になった事件については、同じように店を目前に足止めされていたオタクの話を拾うと、目的地の真向かいにある中華料理屋の前で、人が刺されるという事件が起こっていたらしい。
1時間前の18時から既に封鎖されていたとの話もあり、もう少しで封鎖が解除されるかと思って待っていたけど、30分が経過しても人集りが増えたり、脇から抜けようとする阿呆が注意されたりするばかりだった。
痺れを切らして裏から入れないかと、過去に2度しか通った事のない道を必死に思い出しながら、額へ汗を浮かべて迂回してみるが、苦労も空しく黄色いテープに行く手を阻まれてしまう。

裏の方はさすがに人も少なく警察官とも話ができて、封鎖の解除までどれくらい掛かるのかと聞いてみると、17時30分から現場検証が始めて2時間も経過しているので、もうすぐ終わるのではないかとの事だった。
来た道を引き返すにしても、慣れない道を歩いて精神力を磨り減らしていた事もあり、すぐに戻ろうという気力も湧かなかったので待機していると、時折に民間人が封鎖区域から出てくる様子が見られた。
封鎖区域内に仕事場がある人だったり、封鎖される前に入店していた人だったりするのだけど、男女2人組が現れると周囲の空気が少し違った雰囲気を作っていた。
何故なら状況と今までに通過していった人の顔ぶれから考えて、彼等がラブホテルから出てきた考えて間違えなくて、そう気付いてしまえば晒し者を見ている気分になるのも致し方ない。

晒し者を眺めながら20分ほど待って諦めかけると、目指していた本屋の店員が現れて、少人数ずつでも入店させられないかと、警察官との交渉を始めた。
最初は規則だから無理だと突っぱねていたのだが、乗用車が通されたりと対応にばらつきがあったりと混乱もあって、3度目の交渉で路上の現場検証が終わったからと、店員が誘導できる人数に限り許可が下りた。

店員が交渉sている時点で既に多くの人が諦めて立ち去っており、俺が裏通りでの待機組の中で2番目の古参となっていたため、入店の第一陣へ組み込まれて無事に目的地へ到着した。
池袋へ到着してから1時間が経過しており、Toda氏との夕食会の時間を考えると、店内を物色している時間は10分もないという状況で、閉店まで居たい気分を抑えて、最短コースで買い物を済ませて店を出た。

こんなにも忙しなく買い物をするくらいなら、翌日に出直しても良かったかと思ったのだけど、30分も待ち続けて意固地になっていたし、状況が変化し続けて諦めるタイミングを見失ってもいた。
結果的に買い物を済ませられたから良かったけれど、封鎖されたまま閉店時間を迎えていた危険性もあり、今にして思うと無謀な賭けに出ていた気がしてならない。