親切を 控えて残る 不快感2011年05月27日 20時43分12秒

システムを修正した直後にクライアントから「前回の修正が影響しているのではないか」と問い合わせを受けるなんて話は、拡張が繰り返されるタイプのシステム開発に従事していると良くある話だ。
こういった問い合わせは利用者の誤入力に起因している場合が多くて、その上不正なデータが登録されてから1ヶ月以上も経過していて、システムの修正を機会に見直して気付いただけというパターンが殆どだ。
文面が「○○な気がする」といった具合の曖昧な表現の場合は特に怪しくて、修正の影響でないと知りながら、保守から外れるデータの整合性チェックを押し付けに来ている事もある。

今日にあった依頼も先週に入力されたデータにミスがあり、その影響で予期しない出力が得られているパターンだったけど、この依頼主はシステムに対して無知なので、保守範囲外の仕事を押し付けているように思えなかった。
それでも不正なデータを探し出して報告するまではやっても、実際にデータを修正する作業はできたけれどやらなかった。
依頼主からしてみれば不親切な対応と言われるかも知れないが、俺はシステムを作った所までが仕事であって、システムが保持するデータは利用者の所有物になるので、間違っていると知っていても手を加える事はできない。
何故なら情報も利用者の保有する財産に含まれており、特別な指示がなければ所有権の侵害となるので、修正であろうと加工する事はできない。

もしも調査と修正を希望するのであれば、そういった内容の保守業務を発注してもらう必要があって、当然ながら作業に対する料金を請求させてもらうわけだが、ミスに気付きながら放置する事をケチと言われるのは心外だ。
先に述べたとおり、今日の依頼主は保守範囲外の作業を押し付けてきているわけではないし、ついでに直せと文句を言ってきたなんて事実もないけれど、転職する前の会社で経験しているから親切にする気が起きなかった。
そのため、問題のデータが入力されている場所を報告して、修正による影響ではないと説明するメールを送ったのだけど、今更になって小さな罪悪感を覚え始めていて、金曜の帰り道なのにテンションが低めとなっている。