誘われて 友人宅で ゲーム漬け2011年05月01日 20時33分00秒

先日にPSUの仲間から新しいPCを購入したいと相談を受けた際に、俺自身はハードウェアに詳しい知識が深い方でもないため、大学の同窓生へ質問を中継する格好で対応した。
その相談が一段落したところで、久しぶりに会って遊ばないかと持ち掛けられた事から遊びへ行く運びとなった。
彼の方が出向いてくれるという話もあったのだけど、財布が苦しい俺としては嬉しい申し出もあったのだけど、人を呼んで楽しめるような娯楽が乏しかったり、移動に関しても不便が多いことから俺が行くことになった。

目的地は電車で片道1時間30分ほど掛かるのに、何も考えず10時頃を到着目標と伝えてしまったので、休日なのに平日と同じ時間に起床する必要に迫られて、思慮のない発言を後悔しながら家を出てきた。
最悪の場合は電車で寝ていけば良いと考えていたのだが、元より電車に疎い影響もあって乗り慣れない路線で安眠などできるはずがなかった。
しかも、幸か不幸か最初の乗り替えが不要となる直通電車へ乗り込めて、本当に間違えないのか不安に駆られた影響で、1秒たりとも眠気を感じていられる余裕がなかった。
不安の中でも過去に4回ほど訪ねている曖昧な記憶を頼りにしながら、無事に目的地へ到着して、同窓生の運転する車に乗って彼の自宅まで運んでもらった。

彼の部屋へ着いてからはゲーム三昧で、先日発売となったXbox360ゲームソフト「El Shaddai」を遊ばせてもらった。
アクションゲームと言えば、長らくPSUばかりをやっていた影響もあって、癖で不必要なボタンを押してしまったりと、なかなか恥ずかしい場面が多かった。
ニコニコ動画で弄られていたネタが出てくる度に吹き出していたので、ゲームとしての面白さとは別の所で盛り上がっていた印象が強く感じられた。
俺としてはシンプルで遊びやすかったけれど単調とも言えて、キリスト教の聖典に出てくる堕天使の話が題材となっていて、話が見えにくい部分が否めないため、早々に値下がりしそうな気がしなくもない。
それとステージ上に穴が開いてる箇所や飛び石が無数にあるのだが、配色の関係で足場が欠けていると識別しづらくて、ジャンプの方向や距離感が掴めなくて悪戦苦闘させられた。

昼食後はTRIALS HD」という同じくXbox360のゲームを遊んでいた。
こちらはバイクのアクセルとブレーキに体重移動の操作を加えて、アクロバティックなコースを疾走する内容で、派手に転倒したり地雷原に突入して吹っ飛ばされたりと、笑いすぎて涙が零れる場面が何度もあった。
途中から同窓生の弟君も加わって、3人でコントローラを回しながら1つずつコースをクリアいたけど、俺はゲーム操作の飲み込みが遅くて難易度に付いていけず、後半は見ているのみだったが十分に楽しめた。

本当は日が暮れる前に地元へ戻ってくるつもりだったのだが、やはり楽しい時間は時を忘れさせてくれて、夕暮れを見ながらの帰宅となった。

[小説:闇に舞う者] part282011年05月01日 21時34分46秒

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歩き出したルワンの背中をチェルニーが小走りに追っていき、ティティスは脱いだ服を詰め込んだ紙袋を荷物鞄に押し込んでから立ち上がった。
顔を正面へ向けると、チェルニーはルワンに背負われて、ご機嫌に手招きをしており、まるでピクニックへ出掛ける前のような笑顔を見せていた。
そんな微笑ましい光景に一抹の不安を感じると同時に、自分との会話で必要な緊張の糸まで切れたのではないかと不安になり、ティティスは表情を曇らせながら歩み寄っていった。
「それで、この後はどうするの?」
軽い調子でチェルニーが問いかける。
「外の蜘蛛にわざと捕まって、敵陣まで運んでもらう。防御結界を用意しているが、相手が弱すぎて発動できない場合も考えられる。その時のために着替えさせた。」
「個体が弱くても数を集めれば大丈夫なんでしょ。私は山育ちで足に自信があるわよ。」
「足よりも度胸の方が必要だな。せめて、チェルニーくらい肝が据わっていてくれよ。」
ルワンの言葉の真意が掴めずにチェルニーへ視線を移すと、浮かれているように見えた目の奥に心強さが感じられた。
目の奥に秘められた力強さを見つけた事で初めて、少女の笑顔が自分を勇気づけようとして作られているのだと気付いた。
もしかしたら、最初に笑顔の意味を勘違いした原因は、自身が憧れの人との冒険に浮かれていたからかも知れない。
理解すると同時に込み上げてきた気恥ずかしさを深呼吸と共に飲み込み、準備運動に足首を回して鞄の肩紐を引き締めた。
ルワンと目を合わせて頷いて見せると、一瞬だけ視線を受け止めてから扉の方へ向き直り、戸口へ手を掛けると一呼吸の間を置いてからゆっくりと開けていった。

ティティスが久しぶりの日差しに感じた眩しさから立ち直ってルワンの方を見ると、先に視力を回復させていた様子で、既に向かうべき方向を指さして待っていた。
再び小さく頷いて準備ができたことを知らせると、ルワンは低い階段を一気に飛び降りて着地すると同時に進路を右にとって走り出した。
ティティスもそれに倣って階段を飛び降りると、3歩先を行く背中を追い越すつもりの全力で踏み出した。
本当に追い越しそうな勢いでルワンの背中に迫り、20歩ほどで肩を並べたけれど、そこからルワンがペースを合わせてきたため併走状態で安定した。
ちらりと横を見ると、ルワンにしがみつくチェルニーの髪は真っ直ぐに後ろへ流れるのみで上下には揺れておらず、子供を背負った状態でも重心を安定させて走っている様子が伺えた。
大した年の差もない少年の見せる常人離れした動きに「やっぱり凄い」と感心していると、気を抜くなと言わんばかりの鋭い視線で射抜かれてしまった。
慌てて視線を前へ戻したのと同時に右肩を掴まれて、ティティスが事を把握するまでの一瞬を待ってから、体が浮き上がるような力強さで引き寄せられた。
突然の浮遊感に驚く間もなく、先程まで自分が存在していた空間を白い帯が貫いていく様子が見えて戦慄を覚えた。
モンスターの攻撃を回避したのだと理解すると同時に、ルワンの指が肩へ強く食い込んできたため、放心状態から一瞬で脱して、支えられた事もあってバランスを崩さず着地に成功した。
ティティスの着地が成功してから3歩目を踏み出されようとした瞬間、右から「右へ折れるぞ」と声が響いて、それと同時に再び右肩へ軽い圧力が感じられた。
声に従い、右肩からの圧力を軸に旋回して方向を変えると、正面に巨大な昆虫の姿がシルエットのように浮かび上がっていた。
シルエットが蜘蛛である事を理解するより早く、左手からも別の陰が割り込んできて、背後からは先の攻撃を仕掛けてきた1匹の足音が迫ってくるのが感じられた。

前方に2匹、後方から1匹に挟まれる格好となった瞬間に、ルワンから「止まるぞ」と鋭い声が飛んできた。
頭で言葉を理解するよりも早く体が反応していて、ルワンと共に砂埃を巻き上げながら地を踏み締めていた。
体が静止するのを待たず、ルワンが1枚のカードを取り出して構えると、うっすらと魔法陣が浮かび上がる。
虚空に浮かぶ魔法陣にルワンの指が触れると、なぞられた場所から輝きを増していき、息を呑む暇さえ与えずに全体が輝きだしていた。
魔法陣を用いた術式を発動させたのだと理解する頃には、魔法陣はカードに収束して、微かな光で構成する繭が3人を包んでいた。
自分達を包み込む繭を認識すると同時に、蜘蛛のモンスターが放った粘液に巻き取られて、物の数秒で暗闇の中に閉じ込められていた。
全てにおいて理解が追い付かない速度で状況が動いている事に、ティティスもチェルニーも唖然とする他になかった。

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無駄吠えに 本気で叱り 効き過ぎた2011年05月02日 21時24分41秒

大型連休へ対して興味がないこともあり、連休の中日でも休暇を取らずに出勤してきた。
会社へ出ていっても仕事があるから微妙なところだった事もあり、研究開発の方へ着手するつもりで行ったのだけど、既存システムを拡張したいとの要望が来ていたので、そちらの対応で一日が終わってしまった。
予定では何日ほどで終わってくれるはずなのだが、抗生剤が処方されるほどに耳の状態が悪化していた影響が大きくて、時折に気分が悪くなったりと集中力に欠けていたため、一日掛かりの大きな作業となってしまった。

それに加えて、人間のように連休で浮かれているのか知らないが、G社長の飼い犬であるユウ君の無駄吠えが普段よりも更に酷くなっており、壊れ掛けている耳には辛い騒音となっていた。
最初こそ部屋の中からガラス越しに注意をしていたのだが、手抜きをした注意では効果がないらしくて、自分から吠えるのを止めようとする意志が全く感じられなかった。
どうせ叱りに出てくるまではしないだろうと開き直っているように思えて、耳鳴りが発生した事が引き金となり、堪忍袋の緒が少しだけ切れてしまった。

俺が玄関へ向かって歩き出すと、普段なら足音に反応して無駄吠えに躊躇が混じるはずなのだけど、今日に限っては全く感知していない様子で吠え続けていた。
玄関を開けて外へ出ると、俺の姿を視認した瞬間のユウ君はまるで蛇ににらまれた蛙といった様子で、直前まで吠えていた勇ましさが一瞬の内に剥がれ落ちていた。
俺が踏み出すと犬小屋の中へ逃げ込もうとした素振りを見せたが、恐怖から体が動かなかったらしくて、2歩目を踏み出す頃には腹を見せて降参のポーズになっていた。

もちろん外まで足を延ばして簡単に許してやるはずがなくて、首根っこを掴んで近接10cmの近くで「黙れ」と威嚇して、1発だけボディーを掠めるような打撃を加えてやった。
ダメージが残らないように加減をしながら、十分な恐怖を味合わせてやった効果が出たらしく、その後は無駄吠えを躊躇するようになってくれたので、少しだけ集中力を発揮できるようになった。

しかし、今回は耳の痛みもあって四半分ほど本気の怒りが混じっていた影響で、ユウ君としては相当な恐怖を感じた様子で、移動の際は常に背中を丸めているような情けない格好となっていた。
若干にやり過ぎたかも知れないと思ったけれど、どうせ次の出勤日となる金曜までに忘れていると思うので気にしない事とした。

価格差を 見せ付けられて 呆然と2011年05月03日 17時41分35秒

今日は天気図から天候を読みづらかった事もあり、実際に空を眺めながら連休中の食料調達へ出掛けようと考えていた。
朝方の空を見上げてみると、雨が降り出すとしても昼過ぎ以降と予想されたため、小腹が空き始める11時頃に昼食と買い出しを同時に片付ける予定を立てた。

開店時間及び朝の混雑が解消されるまでの暇潰しに、ネットゲームで遊んでいると「そろそろ出掛けようか」と思ったところに新たな人が参戦してきて、離脱するタイミングを失うパターンが続いてしまった。
その影響で気が付けば時刻が12時になっていて、重みの感じられる黒い雲が張り出しており、今にも雨が降り出してきそうな雰囲気が漂っている中での外出となってしまった。
最初の店は到着する直前に水滴が顔に当たったため、傘を取りに帰宅すべきか悩んだけれど、風の臭いを嗅いでみると降り出すまで30分ほどの猶予がありそうなので、買い物を続行する決断をした。

昼食を食べに出掛ける方向へ話が流れた際に、関西の人が「生うどん1玉8円で売っている」と言い出して、俺が食べているうどんが1玉124円なので驚愕の一言だった。
関西と関東で物価に違いがあっても不思議ではないのだが、文字通りの桁違いな格差はまるで外国の物価を聞いている気分で、信じられずに「本当に日本か?」と何度も聞き返してしまった。
買い物へ出掛けたついでに、スーパーで売っている生うどんの価格を確認してみると、俺が主に食べている麺は124円となっており、他を見てみても低価格と銘打たれた品でも36円が最安値だった。
値段による思いこみの影響もあるだろうが、36円の品を手に取ってみると麺にコシがないような感触で、安かろう悪かろうという言葉が頭に浮かんでしまい、買う気になれないと溜め息を漏らして売り場を後にした。

うどんの市場調査で余計に店を回っていた影響もあって、普段なら20分足らずで終わる買い物が1時間に引き延ばされてしまい、帰り際に大粒の雨が降り始めたけれど、本降りとなる前に帰宅できた。
帰宅した直後から腹が鳴っていたので、部屋着へ着替える手間を惜しんで遅すぎる昼食として、野菜を大盛りにした焼きそばの調理を開始した。
買ってきた綿は3玉セットで126円、ミックス野菜が2袋で198円となり、俺は1食で1.5玉を食べる事から計算すると、本日の昼食費が162円となる。
関西の方なら素うどんを20杯ほど食べられると考えると、本来なら安上がりな自炊をしているはずなのに、大損をしているような気分で少し寂しさを感じながらの食事となった。

気兼ねなく 遊ぶつもりで なぜ掃除?2011年05月04日 21時33分06秒

今日は15時に父親が出掛けてしまえば、自宅に一人きりとなる予定となっていたので、誰に気兼ねすることもなく過ごせる貴重な半日を楽しみで朝から少しテンションが高めとなっていた。
父親が定年退職をしている上に無趣味な人で家を空けることが殆どないため、年末の大掃除でワックス掛けの時のように追い出しでもしない限りは、自宅に一人だけという状況が自然発生する機会など皆無と言っていい。
そのため、自宅に一人きりという状況が巡ってきたのは今日が今年初となるので、何をして過ごそうかと若干に興奮気味となっていた次第だ。

誰にも気兼ねせずに過ごせると言っても、全裸の開放感を楽しむような趣味もないので、普段は自室の小さな画面で見ているビデオをリビングの大画面で楽しむ程度の事しか思い付かなかった。
考えてみれば年に1回もあるかどうか分からない時間のために、何かを用意しておく事なんて無意味なこと極まりないわけで、普段の休日に少し色を付けた程度の事しか考え付かないのも仕方がない。
できることなら俺の財政を逼迫させてまで購入してきた大型テレビで、気兼ねなくアニメを見たりしたいと思うのだけど、疫病神と呼んで嫌っている姉貴ならまだしも、父親を追い出すわけにも行かないので諦めている。
そんなわけでリビングでアニメ鑑賞という小さな事であっても、普段にやりたいと思ってもできない事なので、俺にとっては十分に満足できる幸せな時間となるはずだった。

いざ自宅に一人きりとなってリビングへ行ってみると、埃が目に付いてしまったので至福の時間の前に軽く掃除をする事にして、リビングの片隅で眠っている掃除機を引っ張り出した。
俺が好んで使う掃除機は2階の自室に置いてあり、持ってくるのが面倒だからと、リビングに据え置かれている小型の掃除機で済ませようと思ったのだが、この横着は後々に酷い後悔へ繋がるとは想いもしなかった。
掃除機のスイッチを入れてから30秒も経過しない内に、ヘッド部分のゴミを巻き上げる回転ブラシの調子が悪いらしく、急激に回転数が落ちてゴミの取り残しまで出る有様だった。

恐らくは回転軸に髪の毛でも絡まっているのだろうと推測して、簡単な分解掃除を実行してみたのだけど、思ったほどゴミが取れなかった上に改善も見られなかった。
状態が改善されないのなら仕方がないと思い、ヘッド部分を分解するためにドライバーを持ち出して、本格的なメンテナンスに着手したのだけど状況は殆ど変わらなかった。
ヘッド部分のブラスを稼働させる機構に埃が入り込んでいたけれど、駆動を阻害するほど酷い状態と言うわけでもなく、解体を進めるに従って嫌な予感を肯定するような情報ばかり浮上してきた。

最終的にモーターが取り外そうとした指を焼く勢いで熱くなっていた事が決定打となり、恐らくは寿命でモーターが馬鹿になってしまい、パワー不足で回転数が落ちていると予想された。
途中で回転数が落ちてしまう原因も熱による影響と考えられて、症状が現れた時点でブラシの動作を止めて10秒ほど休ませれば、5秒だけ正常に稼働してくれた。
清掃をせずに動き出す事から考えて、原因が駆動部分にある可能性が消えるわけで、状況から考えてもモーターに何らかの問題があるしか思えなかった。
ちなみに、ブラシの動作は止めている時間を短くすると動かないため、ブラシを回せるレベルまでモーターが冷えるのに、最低でも10秒は掛かるものと予想された。

モーターは元より消耗品である事から考えても、寿命が来てしまったのだと思って間違えないだろう。
替えのパーツもそこらで手に入れられそうもないし、滅多に使われない掃除機を修理へ出すのも面倒なので、放置という選択肢を取る結論に達してから時計を見てみると、軽く1時間が経過していたから驚いた。
その後もトイレや食器カゴなどの汚れが気になって掃除をしていたし、リビングの大画面でアニメ鑑賞という小さな夢を叶える前に、疲れ果てて自室へ戻ってきてしまった。

結局のところ、誰に気兼ねすることもなく掃除をしていただけで終わってしまった。

上り下り 谷間を越えて お買い物2011年05月05日 20時53分30秒

連休へ入ってから天候が安定せず、気温差の激しい日々が続いている影響を受けたらしく、母親の仏前に生けてある花の寿命が1週間ほど縮まってしまった。
毎朝の習慣で花瓶の水を交換しているので、長い花で1ヶ月ほど花を付けていてくれるのだが、今回は人間でさえ体調を崩してしまうような気温差の激しかった事もあり、2週間ほどで萎れてきてしまった。
昨日の時点では歯に変色が見られる程度だったのに、今朝の冷え込みで一気に力尽きたらしくて、花弁が落ち始めるほど衰弱していたので、今日の暇を利用して買い換えてくる事にした。

花を買いへ出掛けるついでに昼食も済ませてくるつもりで、正午過ぎまでのんびりと過ごしていると、必要性が低いために忘れがちとなっている買い物を思い出して、家を出るまでに用事が5つにまで増えていた。
若干の眠気で重みを増した瞼を擦りながら自転車を走らせて、最初の坂を登りながら買い物ルートを考えていると、かなり面倒なコースにしかなりそうもなくて、考えただけで疲れてしまいそうな気分だった。
そんな憂鬱な気分が良い具合に作用して眠気を晴らしてくれたけど。別の意味で頭の中がスッキリしなくなって、移動に不便な地元の地形に溜め息しか出てこなかった。

どんな風に面倒だったかと言えば、昼食を最初に、花屋を最後に、と条件を設けると、どうしても急な坂道を何度も上り下りしなければならず、眠気を覚えるほど緩んだ思考は軽く拒絶反応を示していたわけだ。
我が家は盆地にあるため、何処へ行くにも坂を登らせられるので坂道は慣れているのだが、今回は盆地を挟んだ両方に行きたい店が散らばっていて、順番を定めると右へ左へと坂を登る羽目となるのだ。
店内を物色している時間が休憩ともなるので、実際のところは大した負担と感じないのだろうけど、ルートを脳内地図に描いてみると線が交差したりと複雑で、アルファベットなどで形容しがたい形状となってしまった。

そんな面倒なコースを走ったにも関わらず、大した成果が上がらないという悲しい結果に肩を落としながら、最初の予定だった花屋へ足を伸ばすと、すっかり顔馴染みとなった店員さんの他に見知らぬ顔があった。
応対所か店の作業にも慣れていない様子からして、すぐに入って間もない新人だと断定できたので、温かい目で見守るつもりだったのだけど、俺が顔パスの効くほど常連と聞かされて緊張してしまった様子だった。
俺が混雑しているタイミングで入店した事もあって、先輩のサポートが入らない状況に困惑しながら頑張っている姿は、自分の後輩でも見ているような気分で微笑ましく思えた。

意地になり パズルを解いて 目が痛い2011年05月06日 21時09分23秒

連休の中日という中途半端な日付にも関わらず、今日中の終わらせる必要のある作業を抱えていたのだけど、2時間もあれば終わるような作業内容となっていたので、忘れてさえいなければ問題になりそうだった。
連休という時間が秘める簡単に人間を堕落させる魔力はかなり強力であり、今日の出社時点では見事に急な作業のことを忘れていたのだが、G社長が思い出させてくれたおかげで、無事に予定の作業を片付けられた。

連休の中日に大きな作業へ取り掛かれるはずもないので、残った時間は細々とした作業を片付けていったけれど、それでも時間が余ってしまったので試験的に作っていたFlashゲームを拡張して遊んでいた。
今回の作品はジグソーパズルの系統なのだけど、ちょいと絵の方に仕掛けを施して面白味を追加する試みを加えてある。
元々もAndroid向けのミニゲームとして構想していたのだけど、まずはゲームシステムを練り上げるために、楽に作れるFlashで完成させてから移植する形で開発を進める事になっていた。

追加した面白味の部分は、G社長が昔に遊んだことのあるゲームからヒントを得ているのだが、実際に作って動かしてみると想像よりも難易度が高いことが分かってきた。
問題による難易度へ影響が思っていたよりも遙かに大きくて、出題次第ではギブアップしたくなる場面まで出てくる始末で、何らかのヒントを出すといった工夫も必要と思われた。
そんな高難易度にも関わらず、難しいと呟きながらもT社員がクリアして見せたりと、誰を基準にして難易度の調整を行うのかも問題点として浮上してくる始末だった。

テスターとして挑戦したT社員がクリアした中で、制作者である俺がギブアップするわけにも行かないため、少し意地になって1問に30分を費やして何とか解くことができたけれど、画面を睨みすぎて目が痛くなってしまった。
本当ならブログへ載せて試してもらいたい所だけど、試験的に作っている事もあって版権の掛かる素材を使っているし、最終的に販売も考えているので後悔を見送った次第だ。

原発を 停めた先まで 見ているの?2011年05月07日 20時11分08秒

今日に東京都渋谷区で市民グループの呼びかけによって、原子力発電所に不要と主張するデモが行われて、主催者によると1万人の参加者が会ったという報道を耳にした。
その一方で中部電力が所有する浜岡原子力発電所に対して、菅直人首相が原子炉3基の全面停止を要請が出されて、臨時取締役会での協議に入るなど、電力関連での大きな動きが起こっている。
中部電力の幹部が「首相の要請は重い」と発言した事から、一部の報道では「津波対策が完了するまで原子炉を停止する方向で固めている」と言われている。

実際のところは夏場に入ってからの電力需要の見通しや、不足する電力を火力発電で補えるだけの燃料を確保できるかといった調査のため、今日の時点では結論が出されていない。
それでも先走った報道が流された影響で、デモ隊の中に「浜岡原発の停止が確定した」と言った趣旨のプラカードを掲げる人が居たりと、電力に関わる動きとして大きな迷走が始まりそうな雰囲気になりつつある。
今回の騒動も日本政府というか、頭の悪すぎる菅直人首相が事の発端を作っている辺りに失望して、無能であるなら余計な行動と発言を控えてほしいと呆れるばかりだ。

現状で関東地方での計画停電が実施されていない要因は、中部電力から東京電力への電力供給が行われているからであり、中部電力まで電力不足となった場合の影響がどれ程になるのだろうか。
その一点だけを考えても、原子炉を止めるよう要請を出せる状況でないと簡単に想像できるわけで、何を考えて発言しているのか理解に苦しむばかりだ。
計画停電が実施された1ヶ月の間に倒産した企業もあって、失業者を増やすなどの経済に与える大きな影響を見知った上で、この夏に関東地方ばかりか中部地方まで巻き込むとか正気の沙汰と思えない。

中部電力は電力供給先に占める産業の割合が高くなっており、停電となった場合に経済へ与える影響は東京電力よりも大きいと予想される。
何故なら先の計画停電では、東京23区を停電の対象外とする事で経済へ影響を抑えていたが、それは産業で消費する電力を家庭への電力供給を止める事で補った結果なのだ。
つまり、東京電力は家庭へ提供する電力の割合が大きかったからこそ、計画停電の影響が経済への大打撃とならずに済んだのだが、中部電力の場合は家庭への電力をカットしても産業が動ける保証がない。
そう考えると、浜岡原発の停止は中部地方の産業への大打撃となってしまう恐れがあって、あの菅直人首相がそんな危険を理解した上で方々を出したと思えなくて、不安が加速していくばかりだ。

今日のデモに参加した人達へ対しても、原発を止める事で発生するだろう電力不足と、そこから派生する経済への影響を熟考した上で参加しているのか聞いてみたい。
デモへ参加して原発を、延いては電力を不要と唱えたからには、この夏は室温が38度を超えるまで冷房を使わず、設定温度は30度にする程度の節電を行うべきだと思う。
ちなみに、上記の冷房使用に関する規則は、自室に初めて冷房が取り付けられた15年ほど前から現在まで、俺自身が実行し続けている内容であって実行不可能な事ではない。
上記の環境下でも扇風機を活用してやれば、PCを稼働させる事も十分にできる。

原子力の抱えるリスクについては、本来なら50年以上も前に考えているべきであり、今更に騒いだところで遅すぎるのだと考えもしない連中に対して、俺としては呆れる以外に何も言葉も思い浮かばない。
自分達の生活が何に支えられているのかも考えず、今すぐに原発を止めるとか言い出す連中に対しては怒りさえも感じてしまう。
50年前から続いている過ちを僅か数ヶ月で正せるわけがなくて、10年後までに原子力発電所を半分に減らすような長期的な対策でなければ、強引に事を推し進めた悪影響を被る羽目となるのは確実なのだ。
考えることもせずに声を荒げるだけの馬鹿共のせいで、俺にまで被害が及ぶというのは非情に面白くないわけで、少しで良いから自分で考える頭を持ってほしいと願う今日この頃だ。

[小説:闇に舞う者] part292011年05月08日 20時43分25秒

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http://crimson-harberd.asablo.jp/blog/2010/09/20/5357805

暗闇に包まれてから2度ほど大きな揺れて以降は静かになっていた。
ルワンは結界を展開する直前に引く寄せたまま、抱き留めていたティティスを解放すると、チェルニーを背負ったまま座り込んだ。
「ティティス、明かりを頼む。」
ルワンの言葉に対して、ティティスは人形のような堅くゆっくりとした動きで、胸元からネックレスを引っ張り出した。
ネックレスの先に付いた明るい緑色の宝石を指で弾くと、淡い光を放ち始めてうっすらと世界を彩っていった。

ネックレスの明かりが狭い空間を満たすと、ティティスはルワンの姿を探して辺りを見回し始めた。
「こっちだ。」
下から聞こえてきた声の方へ目を向けて、探していた顔を見つけると安堵の表情を浮かべながら、ドサッと音を立てて座り込んだ。
「読書用の明かりだから薄暗いけど、大丈夫かしら?」
「俺は明かりを必要としない。お前等が不安でなければそれでいい。」
ルワンは素っ気なく返事をしながら、背中に抱き付いていたチェルニーを引き剥がして、隣に座らせていた。
「読んで知るのと、実際に体験するので勝手が違ったか?」
座ってから押し黙ったままだった空間に、ルワンの声が静かに響いた。
「全く違った。本の中では放心状態となる人が多くて、不思議に思っていたけど、今は納得しているわ。私もだったからね。」
「放心していても俺の言葉に反応していたのだから、一応は及第点をやろうか。」
そう言いながらポーチから3つのコップを取り出して、少し丸みのある床に並べた。
続けて手の平サイズの水筒を取り出すと、3つのコップに目一杯の水を注いでいった。
進められるままにコップを手にして、口を付けて喉を潤していくと、自然と口からホッと息が漏れてきた。
「赤の書を何度も読み返して、疑似体験を積んできたつもりだったのに、やっぱり見ると聞くとでは大違いなのね。」
冷静さを取り戻してくると同時に、ティティスが己の不甲斐なさに頭を抱え始めた。
「赤の書?」
ティティスと同じくように、コップに口を付けた事で、緊張の糸の張り詰めた状態から脱したチェルニーが首を傾げた。
「赤の書は小説のタイトルで、ルワンの冒険談を元にして書かれた私の愛読書よ。」
説明しながら鞄から1冊の本を取り出して、チェルニーに手渡した。
「現在まで49巻まで出ていて、凄く有名な本なのよ。さっきから私が説明していた話は全て赤の書の受け売りなのよ。」
「さっきの手帳は読めたけど、こっちの本は読めないや。」
渡された本のページを捲っていたチェルニーが寂しそうな顔を向けてきた。
「そっちは普通の本だから仕方がないわ。文字を教えてあげる暇は無いだろうから、時間がある時に読み聞かせてあげるわ。」
ティティスの申し出にチェルニーが明るい笑みを浮かべる傍らで、ルワンはあっと言う間に緊張感を無くした2人に呆れていた。

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日曜は 天気が良くても 意味がない2011年05月08日 20時49分58秒

連休の最終日となる今日になって、ようやっとお出掛け日和に恵まれたのだけど、明日から始まる仕事への影響を考えると遠出をする気分になれないまま、いつもと変わらない調子で日曜の夕暮れ時を迎えてしまった。
ここ数日は気温の下がり方を読み切れなくて、腹を冷やし低調の調子が悪くなっていた事もあって、体調面での問題もあって遠出のできる雰囲気ではなかった事もあり、やるせない気分でブログの記事を書いている。

連休の良いところは無理をした影響が翌日に出たとしても、通常業務へ支障を来さない程度まで回復する時間が確保できる事であり、連休の最終日に天気が良くても何のメリットもない。
ゴールデンウィーク中に条件が揃えば、芝桜を見るために秩父方面へ足を伸ばして、入場料が無料となっている羊山公園まで行きたいと思っていたのだが、片道60kmほどある上に天気が悪くて行けずに終わってしまった。
以前から行ってみたと言いながら入園料を取られるのに加えて、自転車で山奥へ行かなければならないため、踏み切れないまま見送りとなっていた。
今年は震災の影響で環境客が減っているためか、入園料が無料となっていると電車のアナウンスで宣伝しており、この機会を逃す手はないと思っていたのに、蓋を開けてみれば雨と強風に阻まれてしまった。

青空が広がる休日に自室で引き籠もっているのも面白くないため、今月末に新調する予定の自転車を見繕う資料としてカタログを貰いへ出掛けて、夏の日差しから逃れて本屋で休憩をしたりしていた。
カタログの方は行き付けの店で簡単に入手できたので、家を出た当初の目的は20分足らずで完了してしまい、春を探しに走り回ってみようかと考えた矢先に腹が不吉な音を奏で始めたので帰宅する羽目となった。
それでも帰り道に道草をたくさん食ってきたこともあって、自室へ戻ってきた頃には夕暮れに空が染まり始めており、若干の焦りを感じながら小説の執筆へ取り掛かっていた。

変わり映えのないまま日常のように日が暮れていく。
こんな事の繰り返しで良いのかと呆れるも、気力に欠ける三十路にはお似合いの週末かな、っと思ってしまう自分が少し悔しい。