日常へ 戻れた事の 有り難み2011年04月14日 20時28分17秒

日中は上着が邪魔になるほど日差しが力強くなっており、暖かいを通り越して暑いとさえ感じる。
吹く風は涼しさと肌寒さの中間といった温度であるため、夕暮れを迎えてから一気に体感温度が下がっていき、日中の暖かさに慣れている影響で上着が欲しくなるのだけど、実際に羽織ると暑くなって着ていられず脱いでしまう。
そんな中途半端な気温の中で上着を持っていくか置いていくか、羽織るか否かと悩まされる場面が多くなり、季節の変わり目に良くある光景をしみじみと感じながら、平穏な日常へ戻れた事を喜ばしく思っている。

約1ヶ月前に震災が発生して、その影響で交通機関が麻痺してしまい、帰宅難民の称号を抱いたまま会社のデスクで一夜を明かして、大幅な迂回ルートで通常の2倍の時間を掛けて帰宅した。
原発事故による電力供給量が低下して、現代文明を象徴する電気が止まめられる計画停電が始まると確定した事を受けて、停電へ備えるために帰りを保証できないとの警告を聞きながら、鮨詰めの電車へ乗ったりもした。
俺の会社は計画停電の対象外となる東京23区内にある事もあり、夜間の停電を経験する機会が1度しかなかったのだけど、それでも街灯の明かりさえもない世界の心細さは、一生忘れないと思うほど印象深い光景だった。

震災による影響は薄れてきて、平穏な日常と呼べる生活を送れるまでになってきて、桜が咲いたからとサイクリングへ出掛けるほどの精神的余裕も出てきたし、俺の日常で限っては復旧したと言える。
その裏では多くの被災者が避難を続けている状況があるわけで、安穏とした日常生活を続けている自分へ対して、時折に疑問を感じてしまう事もあったりもするので、落ち着いた気持ちに浸れる日はまだ遠い気がする。
関東在住の大した被害を被っていない俺でさえ、何処か落ち着かない気分で生活しているのだから、避難所逸見を寄せている方々の気持ちは想像を絶するのだろう。
1日でも早く全ての人が日常へ戻れることを祈ることしかできないけど、とにかく無関心とならないで在り続けたいと思う。