賑やかの 陰に隠れた 騒がしさ2010年10月01日 21時00分31秒

今日は色々な意味で車内が賑やかになっていて、その原因が週末を前にした余裕から来る和やかさだった良かったのだけど、残念ながら喜ばしくない状況での騒がしさも幾つか紛れ込んでいた。
特に督促状を送ったにも関わらず支払いが滞っている取引先に対して、強行手段も辞さないという警告の機限が今朝で切れたので、宣言していた通りの対抗処置を実行に移していた。
強行手段の効果は予想以上に大きかったようで、午前中の内に問題の取引先から慌てた様子で電話が掛かってきて、それから暫くは騒がしさの中で仕事をする格好となっていた。
支払いが滞っていた取引先との問答は正午までに一段落したのだけど、横で聞き耳を立てているだけでも先方の慌てた様子が伺えたため、軽く笑いのネタにしながら過ごしていた。

取引先との厄介な騒動が収まったところで、会社として間借りしているG社長の自宅に新しく届いた洗濯機の騒音問題を解決するため、消音ゴムをしく作業の手伝いに駆り出された。
昨日の昼に届いた洗濯機を嬉しそうに動かしている時に、妙な音がすると気にしたG社長から力仕事を頼まれたのだが、洗濯機が静かになってくれると仕事を邪魔されないので願ってもないと快く了解していた。

作業は洗濯機を傾けている間にゴムを挟み込むという内容で、俺は洗濯機を持ち上げる力仕事の方を担当した。
片側は難なく傾ける事ができたのだけど、反対側へ移った時は先に入れたゴムの分だけ選択が傾いていたため、先の倍近い力が必要で態勢を定めるのに苦労してしまった。
多少の苦労があったけれど態勢が決まってしまえば大した事もなく、微調整を含めても5分程度で作業を完了させられて、労力に見合う程度の消音効果も発揮されていた。
G社長としてはが気にしていた聞き慣れない変な音は残っているらしく、今一つ満足しきれない気分だったようだが、消音効果がなかったわけでもないので納得はしている様子だった。

板挟み どちらも上手く 進まない2010年10月02日 21時28分51秒

Toda氏と昼食会の後に雑談をしながら連れ立ってスーパーへ出掛けて、夕食に備えて買った焼きそばの材料を冷蔵庫へ押し込んで、時計を見てみると15時を過ぎていた。
自分の感覚では14時くらいだと思っていただけに、何処で時間を食ってしまったのかと思い返してみれば、PSPゲームソフト「初音ミク -ProjectDIVA 2nd-」(以下、DIVA 2nd)の話題で随分と盛り上がっていた気がする。
9月30日に配信された有料の追加曲を持っていって、Toda氏にチャレンジさせたりもしたから、少しテンションが高すぎた気もするので時間を忘れていた可能性が十分にある。
それに加えて夕食を何にしようかと悩んでいた事情もあって、買い物が間延びしていた気もするし、振り返ってみれば帰宅が遅くなった事も納得できる感じだった。

ひとまず恒例の昼食会と夕食の準備が終わった所までは良いとして、今日の午後に予定していたビジネスバッグ探しへ出掛けるかどうかが、悩ましい問題として降りかかってきた。
近隣でビジネスバッグを扱っている店は粗方に見て回っているため、他を探そうと思えば遠出をする事になるのだが、最近の日が短くなっている事情を考えると、出遅れたと感じた時点で尻込みをしてしまう。
しかし、今までの経験から鞄探しは相当な時間を必要とするため、今日だけでなく明日も走り回る事になると予想され少しでも多くの店を見てこようと思うなら、四の五の言う前に出発するべきだと決心して家を出た。

ついでに言えば、電車の中で小説の執筆を進めておかないと、今週分が書き上がらなくなってしまうという危機感も、出遅れた鞄探しへ出掛ける決心を後押ししてくれていた。
そんな事情から若干の危機感を感じながら電車の中で執筆活動に勤しんでいたのだけど、思うような文章が書けないと悶絶している間に時間が過ぎてしまった。
鞄探しの方も4カ所で探してみたけれど、妥協が可能な範囲に収まる商品にさえ出会えないまま夕暮れを迎えてしまって、小説も進まず捜し物も見付からずで踏んだり蹴ったりな気分での帰宅となってしまった。

鞄探しは明日も続けるのだけど、長引くと小説を書く時間がなくなるわけで、先に小説を仕上げてから出掛けた方が良いのかも知れないと悩んでいる。
軽く板挟み状態だけど、どちらを優先すべきだろうか・・・?

[小説:闇に舞う者] part22010年10月03日 18時39分41秒

初めての方はこちらの記事からお読み下さい。
http://crimson-harberd.asablo.jp/blog/2010/09/20/5357805

微笑みの消えた状態へ陥ってしまったリーゼロッテ女王は、仕事が手に着かなくなってしまうので、問題解決のために率先して相談役や仲介役を担う事もミシェルの重要な役割となっていた。
しかし、今回は良くある母娘問題ではなくて、王女の客人がその目の前で神隠しに遭って失踪してままうという事件が原因であり、自由に行動できない立場にあるミシェルでは解決が困難であった。
そのため彼女にできた事と言えば、この手の事件を扱う事に長けていて、女王や王女からの信頼が厚い人物の下へ使いの者を走らせる程度だった。

国王の執務室が溜め息で満たされて重たい空気に包まれている中でも、時計だけは変わらぬリズムで時を刻み続けている。
ミシェルが壁掛け時計へ視線を向けると、使いの者が出発してから1時間が経過したところだった。
「今頃はあの面倒臭がり屋を説得しているところでしょうね」
ミシェルが呟きに対して、視線が机の上から壁掛けの時計へ移した女王の目には、国王の命令さえも平然と無視するような自由人を、涙目になりながら説得している小柄な双子の姿が思い浮かんでいた。
「あいつが素直に動いてくれればよいのだが・・・」
女王の苦笑と共に紡がれた言葉には心労の色が滲み出ており、今にも倒れてしまうのではないかと心配になるほどに弱々しく、ミシェルは一刻も早く待ち人が到着する事を祈っていた。

王都の城門を抜けて封印の内側へ入ると、魔性の森に打ち込まれた白い杭のように、一本道が木々の作り出す闇へ向かって一直線に延びている。
その街道を進んでいくと、封印の内側に存在する唯一の町ドーラ・クレイドルへ辿り着くことができる。
世界で最も危険と隣り合わせな町は国内でも屈指の賑やかな雰囲気に包まれており、一癖も二癖もある住民達が頻繁にお祭り騒ぎを巻き起こしている
そんな騒動が起きる時、決まって喧噪の中心に据え置かれては迷惑そうな表情を浮かべている少年こそが、リーゼロッテ王女が呼び寄せようとしている人物だった。

彼の名前はルワン・F・ダウロスといい、ルディア王国の中でも数人しかいない「闇に舞う者」の称号を受けた者として、国王と同じくらいの知名度を誇っている。
彼の持つ称号は、奥へ進むほどに危険度が増していく魔性の森の中でも、最も危険とされる「闇の森」と呼ばれる領域への立ち入りを許可された者に与えられる。

優秀である事は与えられた称号から明白なのだが、ドーラ・クレイドルの住民として多分に漏れることなく変わり者で、名誉ある称号の授与式の主役にも関わらず欠席してしまうほどの面倒くさがり屋であった。
面倒くさがり屋である事は自他共に認めているけれど、無責任という訳でもなく、不必要に事件へ巻き込まれる事を嫌っているだけで、元来は面倒見が良い方だったりする。
そういった扱いづらい性格と、動き始めてからの頼り甲斐を知っているだけに、リーゼロッテ女王の心労は尽きる事がなかった。

次へ
http://crimson-harberd.asablo.jp/blog/2010/10/11/5398094

あれこれと 予定をこなし ホッとする2010年10月03日 20時54分49秒

昨夜の23時頃から風邪っぽい症状が出始めていて、10分毎に体調が悪化していくような調子だったため、念のため就寝前に風邪薬を服用しておいた。
その甲斐もあって朝までに寒気や鼻水は落ち着いていたけれど、体調を回復させるのに体力を使ってしまったらしくて、寝起きから疲れを感じている有様だった。

そんな気怠い朝を迎えてしまったのだけど、今日はやりたい事が幾つか重なってしまっており、何から手を付けていくかで悩んでいただけに、体調不良という形で出鼻を挫いてしまった事が残念で仕方がなかった。
しかしながら、治りかけの体で無茶をすると平日の仕事へ響いてしまって大変なので、午前中は大事を取って休養することにして、録画したアニメの鑑賞などで穏やかに過ごしていた。
体調は回復方向へ向かっているらしく、昼前までに気怠さも抜けたし食欲も沸いてきたので、昼食を食べ終わってから予定していたビジネスバッグ探しへ出掛けてきた。

今日は自転車で行ける範囲で3カ所を見てきたのだが、予想を遙かに下回る品揃えの悪さに時間を無駄にしたと、大きな後悔を背負わされて帰宅する羽目となってしまった。
やはり品揃えを重視しての買い物となれば、都心まで行かないと吟味の対象となる品にすら出会えないようだと、改めて認識させられた。

帰宅後は小説の執筆活動に勤しんでいたので、無事にPart2を公開できた事は良かったのだけど、何というか書きたい事が多すぎて全く話が前へ進んでくれない状況が心苦しくて仕方がない。
本来なら説明事項を会話の中へ織り交ぜたり、色々な場面へ散りばめてみたり、本当に必要かどうかを吟味して削ったりと、やるべき事が色々とあると理解しているつもりだ。
しかし、今回はネタ帳を公開するような気分で頭を使わずに書いているから、読みづらかったりする部分は敢えて目を逸らしたまま、記事の公開ボタンをクリックしていた。

ひとまず危ういながらも予定をこなす事ができてホッとしながら、一日を振り返ってみると日曜と思えないほど疲れ切っている。
まだ充実感があるから良いのだけど、ビジネスバッグ探しだけでも早々に蹴りを付けてしまいたいものだ。

恥ずかしい 気持ちを堪え 言い訳を2010年10月04日 20時05分42秒

昨日は予定したい通りに小説の連載を進めることができたのだが、書きたい事が多すぎるせいで話のテンポが悪かったり、説明が多すぎて読みづらいと自覚しているだけに、時間が経つと心苦しさの方が強くなってきた。
連載を始める時点でも連載を続けることを主題として、ネタ帳を公開するような気分で難しいことを考えないと宣言していると言っても、さすがに連載2回目でやっと主人公の名前が登場するというスローペースは遅すぎる。
本来なら説明部分を台詞の中に混ぜ込んだりと、無くても支障のない文章を削ったりと、話のテンポや読みやすさに気を遣うべきなのだけど、元より文才がないため難しい事に手を出すと、月1回の連載さえ危うくなってしまう。
そんなわけで今の調子で読みづらい文章を書き連ねる事になりそうで、まことに申し訳ないと感じている今日この頃、少しだけ言い訳をさせてもらっています。

言い訳のついでに、主人公の名前が筆者のハンドルネームと同じである事について事情を話しておこう。
今回に連載している話は親戚の子供らを喜ばせるために即興で作った物語をベースにして、身振り手振りを交えて語ったストーリーを小説へ落とし込んで出来上がった代物です。
最初に語って聞かせていた時に一人称でやっていたので、必然的に「主人公=自分」という構図になっているわけです。
しかも、ルワンという名前はリアルでも使われているため、本気で初期の段階から主人公の名前はルワンとなっていて、その後に初めて小説を書いた時も馴染みがあるからと名前変更をせずに残してしまったわけです。

今回は遙か昔に小説化した話をリメイクする格好となっているため、これを機会に名前を変えてしまってもよかったのだけど、恥ずかしさよりも馴染み深さの方が勝っていたのでそのまま残しました。
実のところ公開の一歩手前まで名前をどうするかで悩んでいたので、前回の連載分では主人公の名前が入る部分を「あいつ」とかで誤魔化して、悩み考える時間を設けていたなんて事情が隠されていたりします、
1回でも公開してしまった事で後に引けなくなって諦めが付いたので、今後も恥を飲み込んで「主人公が筆者と同じ名前」という格好で連載を続けていきます。

寝起きから 焦り続けて クタクタに2010年10月05日 22時31分18秒

今日は「今日は何曜日だっけ?」という寝惚けた第一声と共に始まって、枕元の時計を確認すると火曜日である事実と、起床時刻を過ぎている寝坊した状況を知らされて仰天しながら飛び起きた。
眼鏡を掛けてから別の時計も念のために見てみたけれど、寝起きに確認した目覚まし時計と変わらず、通常なら朝食の準備を終えているはずの時刻が示されていた。

ロフトから降りている途中で振り返ってみると、目覚ましを止めた記憶があるけれど、アラームが鳴った事実を夢と誤認した挙げ句に肌寒いと言いながら布団へ入り直した覚えがある。
しかも、飛び起きる直前も「目覚ましが鳴らないから、今日は休日のはず」などと考えている自分が居たりして、寝惚けると言うより混乱していたと表現する方が良さそうな状態だった。
普段から朝の身支度を早めに済ませていた事が幸いして、遅刻する事もなく出勤できたから良いけれど、久しぶりの寝坊で肝が冷やされる感覚を思い出していた。

寝坊の原因は夜更かしを慢性的に続けてしまい、改善しなければと思っていた生活習慣の影響だと推測している。
ここ数日は折角に思い出した眠いという感覚を、再び忘れてしまいそうな不安を感じながら夜更かしをしていたので、今日に寝坊してしまった状況を「当然の結果」だと納得していた。
しかも、昨夜は1週間ぶりに運動時間が取れたので、かなり気合いを入れてトレーニングを行っていた事から考えて、疲労と寝不足の相乗効果で随分と深く眠れていた可能性がある。
深い眠りの結果が寝坊でなければ良かったのだけど、世の中が俺の都合に合わせて回ってくれた事なんて1度もないので、遅刻をしなかっただけ満足しておくつもりだ。

そして、早めに帰宅して十分な睡眠時間を確保したいと言っていたのに、通常なら就寝準備を万端に整えているはずの22時に会社を出る羽目となり、今は疲労を顔に滲ませながら帰宅を急いでいる。
仕事で訳の分からない不具合に悩み苦しんでいた事が原因の残業なので、仕方がないと諦めているのだけど、実は明日に回しても良かった案件だったため、今になって後悔をしていたりする。
遅くまで残業をしてまで解決しようと頑張った背景には、手伝ってくれていたT社員の存在があるのだけど、手助けよりプレッシャーを掛けられていた印象の方が強かったりする。

心配が 無駄に終わって 早帰り2010年10月06日 19時58分05秒

今日は寝起きが悪かった割に、昨日に寝坊した恐怖が良い方向へ作用してくれて、昨日と同様に寝惚けていたけど寝過ごす夢を見たので、スッキリト目覚めることができた。
仕事は今日も帰りが遅くなりそうだと苦笑しながら、実現可能できるのかどうかを調べる所から始める必要がある案件へ取り掛かって、色々と探し回っては苦心を繰り返していた。
昼頃になって実現できそうなライブラリがあると分かったのだけど、動かせる環境を整えるまでのに幾つもの障害を乗り越えねばならず、頭を抱えて「わからん」という呟く場面が何度も巡ってきた。

苦労を重ねてライブラリが使えるようになって、要望を満たすために必要な最低限の機能を確保したところで、事前に開発済みのシステムを乗せるという段階へ突入した。
ここまで来てしまえば苦もなく終わるはずだったのに、何故かエラーが返ってきてしまったから頭の中が真っ白になって、昨日と同様に夜遅くまで残業をする羽目となりそうだと冷や汗を流していた。
ところが、意外と簡単にエラーの原因を突き止める事ができたので、きっちりと定時の前に仕事を片付けられて、軽い気持ちで会社を出ることができている。

そんな喜びと共に帰りの電車へ乗っていたのだけど、途中駅で発車間際のタイミングで「車内トラブル発生」とかアナウンスが聞こえてきた。
叫び声とか聞こえてこないので、喧嘩や置換のような対人トラブルではなさそうだけど、折角に早く帰れると喜んでいる気分に水を差してほしくないものだ。

集客の 目玉が消えた 影響か?2010年10月07日 20時10分39秒

駅から会社へ向かう途中で通過する商店街はファミレスやラーメン屋に加えて、総菜屋や喫茶店などもあって食事をするのに便利なのだが、小遣いの少ないサラリーマンの味方となる吉野家と松屋も1軒ずつあって助かっていた。
俺としては吉野家の甘ったるい味付けが好みでなかった事もあって、外で食べるとしても松屋の方ばかり行っていた。
そんな事情もあって吉野家の客入りは全く確認していなかったのだけど、相当に業績が悪かったらしく先週末に閉店してしまっていた。
何の予兆もなく唐突に閉店した様は、夜逃げを連想させるほどの早業であったらしく、弁当屋の雑談で事実を耳にするまで吉野家が潰れた事に気付いていなかった。

俺の中では吉野家は他に行く店がなかった時の選択肢だったから、潰れてしまっても全く影響を受けないのだけど、商店街に入って3軒目に空き店舗がある状況は寂れた印象を強めているので、見ていて気分が良くない。
早く新しい店が入ってくれると良いのだけど、デパートが無くなって客足が遠のいている現状を思えば、このまま空きが埋まらずに年を越してしまいそうな予感もする。
今までもデパートを目的に訪れる人を狙った食事処が大勢を占めていたわけだし、集客の目玉が無くなってしまっては色々と難しいのだろう。

傍目でも 背筋が凍る メッセージ2010年10月08日 20時55分16秒

某有名企業がコミュニティサイトを開設しようというプロジェクトがあって、その中で公開するゲームのFlashを作成する依頼を請け負っていたのだが、サイト本体の作成が大幅に遅れている状況だった。
俺が知る限りでもオープン予定を既に4回も延期している状況で、先月末が最終期限だと警告されてしまったらしく、連絡用メーリングリストが随分と緊迫した雰囲気になっていた。
そんな状況の中で先週末に問題のコミュニティサイトがオープンしたのだが、公開直前まで慌ただしさが漂っていただけに危うそうな印象を抱えながら、開発関係者が登録されたメーリングリストを落ち着かない気分で眺めていた。

俺が担当したFlashは元々がおまけ機能である事に加えて、事前にテストも受けてので問題ないと言われていたし、不具合が出たとしても十中八九の割合でサーバ側の問題なので、現時点において完全に傍観者の立場だった。
そんな傍目から見ているにも関わらず、背筋に冷たい汗が流れ落ちるような重大なミスが発見されて、その直後に「○○という組織の怖さを分かっていない」なんて脅し文句がメーリングリストに流れている始末だ。

発見されたミスが致命的とも言えるレベルで修正のために、一時的にサイトを閉鎖する必要があるという重大さだった事を考えれば、開発者に対して脅し文句が吐きかけられたとしても仕方がないだろう。
しかし、傍目で見ていた傍観者でさえも旋律を覚えるような言葉を目にして、担当者はどんな顔をしているのか想像すらできなかったけれど、不思議と同情する気分にはならなかった。
それというのも問題の開発担当者というのが、仕様書にコーディングを書き込めと無茶苦茶を要求してきた人であり、今回の重大な問題も自業自得に思えて仕方がなかった。

人の悪口を言うのは好きでないのだけど、どんなミスをしたら発生するのかさえ理解できないような不具合が次々と報告されており、戦慄を覚える前に笑えてきてしまうほどの惨状だ。
さて、どうなるのやら・・・

「目を合わす」 たったそれだけ 何だけど・・・2010年10月09日 20時32分16秒

昔から子供に懐かれやすい性質だと自覚していたのだけど、ここ最近は長期休暇が減っている事に加えて、両親の実家へ帰省する機会が減ってきている、子守りを任される場面も減ってきていた。
今の通勤電車は子供連れの乗客なんて滅多に見当たらないし、大学の頃のように車内で愚図っている赤ん坊をあやすなんて場面もなくて、子供に懐かれるという感覚から随分と遠くなっていた。

今日は耳鼻科の通院予定日となっていたのだけど、朝から雨が降っていた影響もあって少し肌寒さを感じながら病院へ行き、待合室で携帯電話で小説の執筆に勤しんでいた。
俺は入り口から最も近いソファーの一番奥に座っていたのだけど、待合室に人が少なかったために6人掛けの座席に1人きりという状況だった。
その状態で10分ほど過ごした頃に、入り口の自動ドアの向こうから元気な泣き声が聞こえてきて、愚図る子供を抱えた女性が何故に泣いているのか分からないと困った表情で入ってきた。
受付では診察券を出した後に名簿へ名前を記入する必要があるため、手近なソファーへ子供を寝かせて、ササッと済ませて戻ってきたかったらしいのだけど、愚図って暴れる子供から目を離せない様子だった。

俺はそんな場面を横目で見ていたのだけど、不意に何か視線を感じた気がして首を傾けると、愚図っている赤ん坊と目が合った瞬間にピタリと泣き止んで、こちらを凝視したまま固まったように動かなくなった。
その様子を見た母親は「すみません」と言ったが早いか受付へ走ると、診察券と名前記入を終わらせて10秒足らずで戻ってきたのだけど、その間の赤ん坊の様子は「凝固」の一言だった。
時折に口元を緩ませていたりしたから怯えている訳ではなく、何か楽しいことが起きるのではないかと期待して見ている印象で、俺の方へ視線を送り続けていた。

以前から自覚もしていたし、子守りが上手いと褒められた経験は数知れず、親戚連中に至っては子供を押し付けて放任していく始末だった。
子供好きの性分だから別段に悪い気はしないのだけど、親御さんが泣き止ませられずに困っている幼児に対して、目を合わせるだけで落ち着かせてしまった事には自分自身でも驚いてしまう。
思い返してみれば、通勤電車の中でも似たような経験をした事もあるのだが、久しぶりの体験に妙な新鮮みを感じてしまった。