古傷の 疼きを堪えて 落ち着かず2010年06月22日 20時40分45秒

右足の甲に子供の頃に負った火傷の傷痕があって、夏の気配が感じられ始める時期になると被れて痒くなってくる。
火傷を負った回数は多い方なのだが少し特殊な対処法のおかげで、未だに痕跡を確認できる負傷は足の甲だけとなっているため、痒くなる度に馬鹿をやったものだと後悔の念に捕らわれてしまう。
そして、今年もその時期が到来して、靴の中で被れた皮膚が疼いて仕方がなくて、無意識の内に掻きむしってしまいそうになる。

問題の火傷を負った原因はストーブの上で完全に沸騰していたヤカンをひっくり返して、およそ 2リットルの熱湯を諸に浴びてしまった事だったと記憶している。
重傷となってしまった原因は熱湯の水量が多かった事、学校に遅刻しないよう冷却する時間を短縮した事、そして火傷に慣れを感じて重度に無関心なまま登校してしまった事にある。
特に登校してしまった影響は大きくて、通学路を歩く間にダメージが蓄積して教室へ着いてから激痛に悶絶した末に、傷跡を残さない為に外すべきでない拘束を解いてしまった。
その結果が今も俺の左足に残っているわけだ。

そんな火傷の傷跡が残る右足の甲は皮膚が薄くて脆くなっている。
どのくらい弱いかと言えば、全力のローキックを 2桁ほど使えば皮膚が裂けて血が滲んでくる程度だ。
電車の中でハイヒールに踏まれた時も、スニーカーを履いていたにも関わらず足の甲に血が滲んでいた記憶がある。
もちろん足の甲が痒いからと言って、爪を立てて掻いていれば赤くなるだけでなく、その場所から悪化して吹き出物ができたり、出欠をしたりする事も珍しくない。

皮膚の痒みは半月ほど堪えれば耐性が付いて収まっていくのだが、残念ながら冬の間にコーティングが剥がれてしまうらしく、毎年のように酷い痒みに堪える日々を過ごす羽目となる。
今年はこの前の土曜日辺りから発症して、吹き出物ができた物凄く痒くて掻き毟りたい衝動を堪えながら、丁寧に洗浄と消毒を繰り返している。
正直なところ今から靴を脱いでタワシで擦りたいとか思うほど痒くて、痛い方が何倍も楽なのではないかという妄想に捕らわれそうになる。
今は 1秒でも早く帰宅して、蒸れた靴の中から左足を抜き取って乾かし、痒みを和らげる事ばかり考えている。