常用と 呼ばれるほどに 増えていた2010年06月08日 20時14分32秒

小耳に挟んだ話によると、携帯電話やパソコンが普及して漢字の使われる場面が変わった事を受けて、常用漢字の改訂が行われているそうだ。
俺のイメージでは常用漢字なんて時代錯誤となっても変わらなさそうな印象を抱いていたので、時代に合わせて改訂される事にさえ驚いてしまった。
しかも、新しい選出基準により手書きが難しい漢字でも使われる頻度我が高ければ常用漢字とする事になった。
新しい選定基準により新たに常用漢字として登録される事となった代表例が「埼」と「岡」で、この漢字 2つが加わることで都道府県名に使われている漢字は全て常用漢字となるそうだ。

その他で新たに常用漢字として追加された文字に「鬱」が含まれていた時は驚いたけれど、常用と呼ばれる事に何の疑問も感じないほど目にする機会が多いのだからすぐに納得できた。
しかし、よもや常用漢字になるほど言葉として普及している現状に、不安定な社会構造を再認識させられた気分で、何となく寂しい気分になってしまう。
実際のところ俺自身も含めて「鬱」を口にする人は多くて、最近では文字が潰れていて詳細が見えなくても、輪郭だけでも分かってしまうほど見慣れてしまっている。
恐らくはこの場で記事を読んでいる人の中に「鬱」を「うつ」と読めない人は殆ど居ないだろう。

実際のところ社会人になってみると、鬱病で苦しんでいる同僚や友人がいる人を探すことは大して難しい事ではない。
情報系の業種に至っては前任者が鬱病で休養しているとか、退職してしまったなんて話を聞かされる事さえ日常と化している。
俺が前に勤めていた会社でも同じ事業部に 1人の鬱病患者がいたし、俺の仕事場は前任者が精神的に持たないと転属を希望して、空いた席に座らされたものだった。

振り返ってみると「鬱」という言葉の繁殖率が凄まじくて呆然としてしまう一方で、本当に良く使われる漢字を取り込もうとしている常用漢字に感心するばかりだ。
新しい常用漢字が完成した時はどんな漢字が含まれているのか、少し見てみよう。