頼むから 余計な事を 言わないで2009年09月17日 20時52分32秒

つい先日に何気なくつけていたテレビ番組が俺もよく知っている漫画家に密着取材をしたというドキュメンタリーが放送されていた。
その日より数日前から何度も宣伝をしていて、ちょっと見てみたいと思っていたから偶然で放送時間にチャンネルを合わせていた奇跡に軽く感動のような感情を抱いていた。
そんな期待のまなざしを向けていた矢先、冒頭部で宣伝と同じ内容が繰り返されて本編が始まろうとしたところで、現在連載中の作品に対する紹介に「最終章を突き進む」という文言で含まれていて、一気にテンションが下がってしまった。

問題の作品の連載が始まってから10年、俺は最初からずっと読み続けていたから何となく終わりそうな気配を感じていたが、まだ気持ちの良い完結を迎えられるほど完全燃焼をしていないので、もう少し頑張って欲しいと願っていた。
それなのにテレビから堂々と最終章なんて言葉が聞こえてきて、疑う余地もなく終わりが近いと告げられてしまったのだから気が抜けてしまったわけだ。
何より好きな作品が終わってしまう事実が寂しくて、見てみたいと思っていた泰仙が見られない悔しさといった色々な感情が渦巻いてきた。
そんな中で最も強く出てきた感情は余計な情報を与えてくれたテレビに対する怒りで、見てみたいとか思っていたはずなのに問題の一説が語られた瞬間にチャンネルを変えてしまっていた。

どんな物語にも必ず終わりがあるのは仕方のない事だけど、できる限り時分好みの終幕を迎えて欲しいと願うくらいの権利は読者が持っていてよいはずだ。
今回の件について、作者の過去作から考えても最終回が近いと予想していたので、事実として受け入れがたい訳はないけれど予期しないタイミングで知らされたことに怒りを覚えてしまう。
こういう風に望んでもいない情報が一方的に垂れ流されてくるマスメディアの特性は時にメリットと成り得るけれど、俺としてはデメリットと感じる場面の方が多くて、どうにも好きにはなれない。

やはりテレビなんかに期待した自分が悪いのだと諦めていたつもりだったけど、今週分の連載を読んでいると「ああ、この流れで最終回を迎えるのか」と考えてしまって、何とも言えない寂しい気分だった。
好きな作品であったからこそ自分のペースで最終回まで走っていきたかったと思う今日この頃だ。