遠くから 微かに届く 蝉の声2009年08月03日 20時36分29秒

梅雨明けをしてから時化っぽい日々が続いていた影響から暑さ以外に夏らしさを感じることが少なかったのだが、土曜から俺の生活圏内で蝉の鳴き声が聞かれるようになってきた。
極度の汗っかきである事もあって、暑い夏の日差しを連想させる蝉の鳴き声は好きでないのだけど、夏の風物詩の 1つとして季節を感じさせてくれる存在としては嫌うではない。
今年は 8月に入っても湿っぽさが取れず、何時までも梅雨が続いているような不快な空模様が続いているからか夏らしさの片鱗を見つけて喜んでいる自分がいた。

今年の初めて聞いた蝉の鳴き声が近所で一人暮らしをしている同窓生Toda氏の自宅からだった事に少しばかり悔しさを感じてしまう。
例年なら子供時代に遊び場としていた林に集まる蝉の鳴き声を最初に聞いていたはずなのだが、数年おきに多くの木々が切り倒され続けてしまい、今年の伐採で見る影もない茶色い土の山となってしまった。
幸いなことに我が地元は緑が多いので、蝉が行き場を失うような悲しい事は起きていないはずだが、逆に言えば木々のある方へ流れてしまうので自宅周辺だけ蝉の鳴き声が聞こえないという事になる。

もちろん蝉の鳴き声をうるさいと思ったこともあるし、部屋へ侵入されて追いかけ回すなんて面倒を被ったことも少なくない。
それでも唐突に居なくなられたりすると寂しいと感じてしまうし、何よりうるさかろうと自然と共存している雰囲気は財産だといって差し支えがないはずだ。
その心地よい空間の中心を大した利用方法も考えないまま無意味としか思えない形で伐採されてしまって、心の何処かに穴が開いたような嫌な気持ちになってしまっている。

自宅周辺が寂しくなっていくのと裏腹に、航空公園を囲む街路樹からはどれくらい居るのか想像さえできないほどたくさんの蝉が大合唱を繰り広げていた。
世界中が蝉の鳴き声で埋め尽くされて、音が世界を染め上げている空間の中で風を切って走ってみると、子供の頃に遊び回った林の風景が鮮明に思い出されて懐かしい気分だった。

このところ職場に籠もっていて夕方という時間帯を忘れてしまうことさえも多い今日この頃、季節を感じさせる木々が減ってしまう事に落胆を感じてしまう。

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