春先に 花を散らせる 北の風2009年04月02日 20時30分02秒

昨夜から吹き始めた冷たい北風は今朝になってもいっこうに収まる気配が無くて、弱まるどころ一段も二段も強くなっていた。
その風の強さは今年の最高風速を更新するのではないかと思われる程の威力で、強風の影響から電車が運転を見合わせる事態まで引き起こしていた。
俺が利用する路線は大きな川を跨いだりしないので平常通りに運行していたけれど、駅へ向かう途中の道程で強風の洗礼は嫌というほどに受けてきた。

強風に対抗して走るのだから体力的な辛さが最も大きかった事は言うまでもないが、日曜に体力作りと称してクロスバイクで80kmをノンストップで走り通すなんてやっていたから何とか遅刻せずに駅へ辿り着くことができた。
しかし、日曜のサイクリングでは長距離を安定した速度で走り続ける持久力を持った筋肉を鍛えていたので、今日のような強風と真っ向勝負するいダムのに必要な瞬発力が足りなかった。
そのため駐輪場に自転車を止めた後になって、体育の授業でマラソンをさせられた時によく感じていた肺の痛みを覚えてる場面があった。
激しい運動をしている最中に痛み出したわけではなかったから苦しいと感じることもなく、むしろ懐かしいとか思っていた。

それにしても春一番が吹いても良さそうなこの時期に、北風が吹き荒れるというのはどういう事だろうか。
もっとも冷たい北風が吹いていると言っても、日差しは春先の暖かさを保っていたから冬が逆戻りしてきたという印象は殆どなかった。
しかし、暖かな日差しと冷たい北風に挟まれるという状況は何ともバランスが悪くて、体の前面は冷風に体温を奪われて冷えて、背面は日光を受けて汗ばむという暑さと寒さが表裏一体の奇妙な状態を作ってくれていた。

実は日曜のサイクリングでも走り始めた最初の頃に同じような感触を覚えた時間があって、あの時は暫くすると運動をしている影響から体温が上がって寒さを涼しいと置き換えていた。
さすがに通勤途中で寒さをひっくり返すほどの運動をしていたら仕事をする体力がなくなってしまうが、似たような状況を少し望んでいる自分がいた。

強風の影響を受けているのは俺や電車ばかりではなくて、ようやっと 1分咲きと呼べる程度に花を付け始めた桜も被害にあっていた。
未だに花見をできていない状況にも関わらず、路面のそこかしこに花びらが落ちていて、今朝に花を付けた分は全て落とされているように見えた。
俺が前を見ること事さえも思うに任せられない強風の中で、桜が大きく枝を揺らされている姿が何とも言えない必死さが見えて、何とも言えない哀愁を感じられた。

本当は今週末に向けて開花してほしいと思っていたのだけど、少し遅れ気味で花見の再演期もありえるかも知れないと肩を落としていたのだが、今日を見てみると遅れて良かったのかも知れない。
週末に見頃を迎えるペースで花が開いていたら、この強風でぜんめつしていたかのうせいもあった。
折角に体作りから準備をしていたのに花見ができないのは残念だが、桜がなくなってしまっては元も子もない。
後は強風が吹き荒れる天気が再来しないことを祈るのみだ。