川底に 沈み続けて 二十年2009年03月11日 19時53分34秒

24年くらい前の阪神タイガース優勝に沸く道頓堀で、川へ投げ込まれて浮かんでこなかったカーネルサンダースの人形が引き揚げられた。
長いこと川底に沈んでいた影響で塗装は剥がれており、下半身は依然として行方不明という状態で何処となく「呪いの」なんて冠詞を付けて呼びたい雰囲気だった。
そんな見るも無惨な状態だけど原型をしっかりと留めていた辺りは軽く感動すら覚えてしまう。

人形が川へ放り込まれた時の優勝以降は阪神タイガースは低迷を続けていて「カーネルサンダースの呪い」と言われた時期もあって、これで呪いが解けたから優勝できるなんて行っている人もいるらしい。
そういえば、俺が最初にこの話題をテレビで見た時の映像は業者に抱えられて事務所へ運び込まれるカーネルサンダース人形の下へ記者がカメラを回しながら走り寄る光景だった。

記者の声は嬉しそうな表情が思い浮かぶほどに感情豊かだった印象があって、人形を運んでいる業者も何処か楽しそうだったイメージがある。
たかがヘドロの下で薄汚れた人形の上半身だけで、見ている方まで楽しい気分にさせてくれる映像は何とも言えない魅力を感じた。
冷静になってみれば「こんな馬鹿なことで喜べるなんて幸せだな」と思ってしまうのだけど、残念ながら自分も下らない事で笑っていた 1人だったりする。

それにしても24年前と言えば、俺が小学校へ入学する以前から川底に沈んでいた事になるわけで、そう考えれば随分と長いこと川底にいたものだ。
逆の視点から見ると20年以上も大人と同じ大きさを有する人形が発見できないほど汚れているという事実は想像を絶する物がある。
何かにつけて道頓堀川へ飛び込むという映像を目にする機会があるが、下手をして人形と同じく浮かび上がってこない人があっても不思議はないわけだ。
しきりに危険だから飛び込むなと言われている理由を改めて思い知らされるニュースでもあった。

何にしても久しぶりに笑わせてもらえる良いネタでよかったと思う。
これで生き別れになっている下半身も発見されて新しいシンボルとかになったりしたらもう一笑いできるのだが、望みの方はどのくらいあるのだろうか。