【まったり空間】

今日は本当に良く汗を掻く日でシャツなんかは絞れるほどの水分を溜め込んだと思われるシーンが 2度ほどあったのではなかろうか。

そんな一日はすっかり恒例となった大量の寝汗と熱い日差しの寝苦しさから始まった。
今日は休日ということもあって遅くまで布団の中にいたから、その分だけ寝汗も増量された感じで朝一番にして既にシャツが絞れそうな勢いで湿っていた。

寝汗に湿ったシャツを扇風機に晒して強制的に発生させた気化熱で体温を下げながら、窓の向こうに見える夏真っ盛りの光景を恨めしく眺めていた。
汗っかきであるが故に暑い夏が嫌いなのはもちろん恨めしく感じられる理由の一つではあるのだが、今日は別の理由があったりする。
実は昨夜に親戚が俺の母親の墓参りへ来るとの連絡が入っていて、早々に墓掃除へ行かなければならない事情もあった。
つまり、起きて朝食を済ませたらすぐにでも窓の向こうの炎天下へ飛び出していく予定になっていたわけだ。

起きがけの水分補給と軽めの朝食を済ませて墓掃除へ向かおう準備をし始めたのだが、墓を磨くのに使おうと思っていた雑巾が真っ黒の埃まみれになって出てきた。
もちろん汚れた雑巾で墓を拭くわけにも行かないが、洗えば使えるのに新しい雑巾を引っ張り出すような事はしたくない。

というわけで、急いで汚れた雑巾の手洗いを始めたのだが何とも酷い有様だった。
埃は水で流せるからまだ良いとして、問題は大量に絡みついている髪の毛で見つける度に摘んで引き剥がさねばならず邪魔くさい。
これでも汚れてから間もないからマシな方なんだと自分に言い聞かせて、せっせと手洗いをしたのだが記事を書いている今になって無性に腹が立ってきた。

この雑巾を汚した犯人は父親で、俺と同様に親戚が来るとの急な知らせを聞いて掃除の真似事をして汚れた雑巾をそのまま放置した結果、俺が要らぬ手間を取らされた毎度お馴染みのパターンだ。
朝の発言から察するに階段の掃除で掃除機を持ち上げるのを嫌がって、破棄もせず拭き掃除をしたのだろう。
それで真っ黒になった雑巾を捨てるつもりで放置した、という所だろうな。
「掃く」という手順を飛ばしている事から考えると階段のあちこちに小粒に丸められた埃の玉が転がっているはずだから、明日は明日で掃除のやり直しをする必要がありそうだ。


さて、脱線気味の話を戻しまして、汚れていた雑巾を綺麗に洗い終えた時点で額に玉の汗が幾つも出来上がっていた。
それこそ朝食時に補給した水分を出し切ったのではないと心配になる程の汗で、頑張ればシャツを絞れるだろう状態だった。

そんな状態でもノンビリと休んでいる暇はないので、洗ったばかりの雑巾を抱えて自宅から自転車で10分弱の所にある墓地へと急いでいった。
幸いな事に暑さは想像より少し緩くて、吹く風も涼しく感じられた。
何より雲が出てきて強い日差しを遮ってくれていた事が良かった。
とはえい、夏日である事に変わりはなくて汗が目に入るのを防ぐために巻いていたバンダナは掃除を始めて数分で完全に変色してしまっていた。

移動中に予想よりも涼しいと喜んでいたのだけど、墓石はしっかりと日差しに焼かれてホッカホカとなっていた。
最初の方は本当に酷い物で片面を吹き終わると、その前に拭いた場所が乾き始めているという状態だった。
乾いている時の方が汚れが目立つから拭きムラを探すのにちょうど良い一面はあるけれど、墓石が熱くなっている事をまざまざと見せつけられるのは辛かった。

俺の墓掃除は長丁場になりがちで、今日も 1時間半ほどの時間を掛けて磨き上げてきた。
作業も終盤へ入った頃になると、シャツを通り越して上着にまで汗が染みている状態になっていた。
ここまで来ると疑うまでもなくシャツを絞れば雑巾のように汗がしみ出してくることは間違えない状態だ。
更にいうと、それだけの水分を血液から絞り出した体は脱水症状を起こしかけていた。

掃除のために退かしていた花立・香炉・水鉢を最後に戻す時なんて、落としてしまうのではないかと冷や汗を掻いていたくらいだ。
なにせ、これらは墓石と同じ素材で作られているから重くて、指の掛かり処の少ないデザインだから不安定というオマケまで付く。
過去に数回と同じ作業をしているけれど、今日ほど慎重に扱った事は無かったと思う。

ひとまず無事に作業を終えて親戚も迎え入れてと、そつなく事を終えて家事から解放された後も汗腺が決壊したかのような汗の噴き方を繰り返した。
それはもう飲んだ水分がそのまま汗になって出てくるかのような状態で我が事ながら不安になるほどだった。
今はだいぶ落ち着いてきているけれど止まってはおらず、ジワジワとしみ出しているのが感じられる。

こんな調子だと明日の朝はミイラになって発見されるのではないかと不安になってしまう今日この頃です。