自転車の 立場は常に 危なげだ2008年06月23日 21時23分38秒

今朝の通勤途中、最寄り駅へ向かって自転車を走らせていると非常に危なっかしい運転の自転車がいた。
運転していたのは御老人で推定年齢80歳くらいで、失礼ながら「ヨボヨボのお爺ちゃん」という表現がぱったりな方だった。

そんな御老人だから速度が遅いだけでなく右へ左へとふらつきながら走っている。
そのため、抜き去ろうにも恐ろしさの方が先に立って思うように前へ出られなかった。
幸いにして時間的な湯夕はあって無理をして抜きに出る必要もなかったから、車列が途切れるのを魔って車道を大回りして回避することにした。

というわけで、ほんの 20mほどの距離を追従して走る事になったのだけど見ている方が怖くなる運転だった。
何せハンドルを握れ手が腕からぎこちなく震えていて、自転車を運転するのに必要な腕力さえも足りていない様子が見て取れた。
ご自身でも無茶をしている自覚があるらしく肘と膝のそれぞれに店頭時のけがを防止するためのプロテクターを装着されていた。

正直なところ、車道側を走っておられたので事故になった場合を考えると焼け石に水だろう。
かといって、道路交通法では軽車両である自転車は車道を走るように指示されており、歩道を走る事は特に危険な道路に限って特例的に認められた行動である。
つまり、御老人が車道側を走っていた事は間違った事ではなく、むしろ正しい行為だと言える。

はっきり言って、あのお爺さんが歩道を走っていたら歩行者を避けられない可能性が高い。
特に道路沿いの家が多くて飛び出すように出てくる住民も多いから非常に危険だ。
その辺を理解した上で車道を走っているのだと思うと、何やら胸が痛くなってくる。

できれば、ランドウォーカーに代表される前方 2輪の転倒しにくい自転車を使ってくれれば安心して見ていられると思う。
しかしながら、大量生産されている商品ではないため値段が高くて昨今の苦しい年金生活者で購入する事は難しいだろう。
かといって、大量生産で安全性の低い商品を買ってしまっては元も子もないわけで難しいところだと思う。

年金や社会福祉といった政治問題があちらこちらで見受けられる現状に溜め息が出てしまう。
俺の地元では歩道や車道を修繕する道路工事が頻繁に行われて、何度も同じ場所を掘り返している。
そんな無駄遣いをしている暇があるなら、自転車専用車線の一つでも作ってもらいたい。

現状の自転車は歩道でも車道でも邪魔者扱いされる存在であるのに、生活苦の人々にとって貴重な交通の足でもある。
俺なんかも目の関係で自動車免許を取れない人間だから、走る道すら定まらない自転車の不便さは強く感じる。
時には若い俺ですら恐怖を感じることがあるのだから、あの御老人はどれ程の恐怖を感じながら走っていたのだろうか。

それと、どれ程の人が「危ない自転車だ」とあのお爺さんを指さしているのだろうか。
きっと危ないというのはご本人が最も良く分かっている事だと思う。
それでもなお、しなければならない事情もあるかも知れない。

危ない運転を許せとは言わないけれど、悪いのは自転車ばかりでないと心に留めておいて欲しいな、と思う今日この頃だ。

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