網棚に 鞄を忘れ 無一文2008年02月10日 20時32分25秒

昨夜は大学の同窓生を集めて、ちょいと遅めの新年会をやってきた。
その会場へ向かう途中、乗換駅のホームで雪を降らすほどの冷たい風に耐えかねて暖かい飲み物を購入しようと思ったところで時間が凝結する。

何があったのかと言うと、肩に掛けてあるはずのリュックが無かったのだ。
リュックの中には定期入れも財布も入っているし、俺の携帯は支払い能力のない普通のPHSだから完全無欠の無一文となっている事に愕然として時間が止まったわけだ。

その止まった時間は逆走を初めて10分ほど前まで遡ったところで全てを理解した。
10分前の光景、それは雪で濡れてしまった服の処置をするためにリュックを網棚へ乗せた瞬間の映像だった。
そして、電車を降りる時はリュックを下ろした事実をすっかり忘れて下車してしまったわけだ。
普段ならリュックを網棚に乗せる事をしないため、網棚の荷物を確認する習慣がなかったが故のミス、と言ったところだ。

そんな感じで原因を分析し終わった所で踵を返して、一瞬だけ走り出そうと思ったけど思い止まった。
なにせ、俺の荷物を乗せた電車はとっくに出てしまっているからだ。
驚きや驚愕がある程度を越えると、逆に冷静に成れるから人間ってのは面白い。

ひとまず改札へ向かって駅員にリュックを忘れてきた事を報告して、何両目の何処の網棚かまで正確に覚えていたのでそれを伝えた。
すると、ちょうど車掌に最も近い車両だったそうで連絡して確認してもらえる事になった。
そんなわけで手元から離れて数分で無事に荷物は回収される事となったのだけど、車掌の業務の関係で荷物を受け取れるのは早くても 2時間後という事になってしまった。

仕方がないので同窓生の一人から金を借りて新年会へ出席して、帰りに荷物を回収する事にした。
何とか事なきは得たけれど、散々な一日だった気がする。