鳴き声が 響く電車の 大津波 ― 2008年02月06日 20時39分45秒
普段の通勤で乗り換えの際に 1本目の電車は見逃して 1分少々で来る次の電車へ乗るようにしている。
たった数分の差で満員電車のすし詰めを回避できるなら安いもんだ。
ところが、今朝はダイヤが乱れていてホームに流れるアナウンスから次の電車が来るまでに時間が掛かりそうだった。
そうなると待たされた末に満員電車へ押し込まれる羽目に成りかねないので、素直に目の前の電車へ乗り込む事にした。
満員電車となるとNotePCの入った大きめの手荷物は邪魔になって仕方がない。
だから、発車までの短い時間で余裕のある奥の方へ移動して、網棚か最悪でも足の下に鞄を置く必要がある。
この辺の移動は慣れたもので空いているスペースを目指して滑り込んでいったのだが、その途中で不意に足元から小さな声が聞こえてきた。
その声は「痛い、痛い」と繰り返す少女の声で、何事かと思ったら俺が狙っていたスペースに 4歳くらいの少女がいたから驚きだ。
当然ながら母親も一緒にいるのだけど彼女達の立ち位置は非常に悪くて、許されるのなら「何故にこんな所に立ってんだ」と怒鳴ってやりたかった。
そこからの数十秒は本当に四苦八苦させられた。
声はすれども姿は見えずの状態で注意しながら「ここに足を置ければ何とかなる」と思う位置へ足を移動させてみると、足の裏に触れる小さくて柔らかな物が一つ。
寸での所で踏み止まって爪先立ちの状態のままで足の裏へ神経を集中させてみる。
その結果、十中八九の確立で女の子の足であると認定された。
依然として乗り込んでくる人に押されながら、何とか踏み付けずに済むギリギリの所へ足を置く事ができたけど収まりは今一つ良くない。
そこから肘で女の子の頭部を小突くトラブルを経て、何とか上半身の体位を整える事に成功した。
そうは言っても掴まる物はないし、踏ん張れるほどの足場もない。
ひとまず普通の揺れなら耐えられるだろうけど、急ブレーキで発生する人の波に対応する術は皆無だ。
後は急ブレーキが踏まれる事がないよう必死に祈るばかりという訳だ。
ところが、この日はダイヤが乱れているから満員電車に乗っていたわけで、急ブレーキなんて当たり前のように踏まれることとなる。
しかも、発車して加速が終わりきる前に景気よく一発目の急ブレーキが来たから大変だった。
恐らく足場をしっかりと確保できていても耐えられたかどうか分からないほどの大きな人の波、吊革に捕まっていたはずの乗客まで流されていたくらいだ。
そんな大波の中でハッキリと見えたのは女の子の顔と、その小さな体に迫るクリーム色をしたコートの背中だった。
その瞬間に思い浮かんだのは 1秒後の未来予想図で母親と男性の背中に板挟みとなっている少女の姿だった。
普通なら踏ん張ろうとしているはずの瞬間に逆走を試みている男が一人だけいる事に気が付いた人はいないだろう。
まぁ、それが俺なんだけどね。
一瞬だけ踏ん張ろうとしたのだけど、無理だと分かったら思いっきりバックステップを踏んでいたわけよ。
狙いは危機に瀕する少女を抱える母親の後ろ、女性なのか男性なのかも分からない人を思いきり押しのけていた。
結果的に母親と一緒に大きく後退して女の子が潰れることは免れたのだけどさ。
やっぱりノーダメージでは終わらないし、普通に怖かったみたいで結局は大泣きさ。
その鳴き声のおかげで安全なスペースを譲ってもらえたけど、全ての対応が遅すぎだ。
昨日は笑顔を見られて和やかな出勤だったのに、今日は真逆の泣き顔からのスタートとはどういうことだろう。
ネタとしては美味しいかも知れないけど、一日の始まりとしては最低だ。
たった数分の差で満員電車のすし詰めを回避できるなら安いもんだ。
ところが、今朝はダイヤが乱れていてホームに流れるアナウンスから次の電車が来るまでに時間が掛かりそうだった。
そうなると待たされた末に満員電車へ押し込まれる羽目に成りかねないので、素直に目の前の電車へ乗り込む事にした。
満員電車となるとNotePCの入った大きめの手荷物は邪魔になって仕方がない。
だから、発車までの短い時間で余裕のある奥の方へ移動して、網棚か最悪でも足の下に鞄を置く必要がある。
この辺の移動は慣れたもので空いているスペースを目指して滑り込んでいったのだが、その途中で不意に足元から小さな声が聞こえてきた。
その声は「痛い、痛い」と繰り返す少女の声で、何事かと思ったら俺が狙っていたスペースに 4歳くらいの少女がいたから驚きだ。
当然ながら母親も一緒にいるのだけど彼女達の立ち位置は非常に悪くて、許されるのなら「何故にこんな所に立ってんだ」と怒鳴ってやりたかった。
そこからの数十秒は本当に四苦八苦させられた。
声はすれども姿は見えずの状態で注意しながら「ここに足を置ければ何とかなる」と思う位置へ足を移動させてみると、足の裏に触れる小さくて柔らかな物が一つ。
寸での所で踏み止まって爪先立ちの状態のままで足の裏へ神経を集中させてみる。
その結果、十中八九の確立で女の子の足であると認定された。
依然として乗り込んでくる人に押されながら、何とか踏み付けずに済むギリギリの所へ足を置く事ができたけど収まりは今一つ良くない。
そこから肘で女の子の頭部を小突くトラブルを経て、何とか上半身の体位を整える事に成功した。
そうは言っても掴まる物はないし、踏ん張れるほどの足場もない。
ひとまず普通の揺れなら耐えられるだろうけど、急ブレーキで発生する人の波に対応する術は皆無だ。
後は急ブレーキが踏まれる事がないよう必死に祈るばかりという訳だ。
ところが、この日はダイヤが乱れているから満員電車に乗っていたわけで、急ブレーキなんて当たり前のように踏まれることとなる。
しかも、発車して加速が終わりきる前に景気よく一発目の急ブレーキが来たから大変だった。
恐らく足場をしっかりと確保できていても耐えられたかどうか分からないほどの大きな人の波、吊革に捕まっていたはずの乗客まで流されていたくらいだ。
そんな大波の中でハッキリと見えたのは女の子の顔と、その小さな体に迫るクリーム色をしたコートの背中だった。
その瞬間に思い浮かんだのは 1秒後の未来予想図で母親と男性の背中に板挟みとなっている少女の姿だった。
普通なら踏ん張ろうとしているはずの瞬間に逆走を試みている男が一人だけいる事に気が付いた人はいないだろう。
まぁ、それが俺なんだけどね。
一瞬だけ踏ん張ろうとしたのだけど、無理だと分かったら思いっきりバックステップを踏んでいたわけよ。
狙いは危機に瀕する少女を抱える母親の後ろ、女性なのか男性なのかも分からない人を思いきり押しのけていた。
結果的に母親と一緒に大きく後退して女の子が潰れることは免れたのだけどさ。
やっぱりノーダメージでは終わらないし、普通に怖かったみたいで結局は大泣きさ。
その鳴き声のおかげで安全なスペースを譲ってもらえたけど、全ての対応が遅すぎだ。
昨日は笑顔を見られて和やかな出勤だったのに、今日は真逆の泣き顔からのスタートとはどういうことだろう。
ネタとしては美味しいかも知れないけど、一日の始まりとしては最低だ。
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